GNUは現地時間2022年9月2日、GNU Grep バージョン3.8をリリースした旨をメーリングリストで報告した。grepはUNIX系OSで定番の文字列検索コマンドとして使われ、Windowsのコマンドプロンプトではfindstr、Windows PowerShellはSelect-Stringに形や機能を変えて受け継がれてきた。ソースコードはGNUのメインFTPやミラーFTP、近くのミラーFTPからダウンロードできる。
Perlの正規表現を使用するオプション「P」は、PCRE(Perl Compatible Regular Expressions)からPCRE2ベースで動作するように変更されている。2007年の段階から非推奨となった拡張正規表現を使うegrep、パターンを固定文字列して扱うfgrep使用時は警告を発し、利用する場合は、それぞれオプション「E」、オプション「F」に置き換えなければならない。同じく非推奨の環境変数「GREP_COLOR」も「GREP_COLORS」の「ms=xxx」書式を推奨している。正規表現記述時の不要なバックスラッシュがある場合も、正しく演算するために警告を発するようになった。また、UTF-8エンコーディング環境で正規表現を使用する際、Unicode文字U+D400~U+D7FFにマッチしないバージョン3.4から侵入したバグを修正し、ファイルに起因するエラーメッセージを抑止するオプション「s」がバイナリーファイルに対しては動作しなくなった(バージョン3.5で侵入したバグ)。Grepは前バージョンのリリースが2021年8月14日のため、1年ぶりのバージョンアップとなる。