サイダスは8月31日、働きがいや仕事に対するやりがいや目的に対する考え方や意識に関する調査結果を発表した。これによると、有職者の半数以上は今の仕事に働きがいがあると回答しており、特に自己成長の実感が働きがいの醸成につながっていることが分かった。

同調査は同社が「CYDAS PEOPLE(サイダスピープル)」のサービス・サイトのリニューアルに合わせて、7月29日~8月1日に全国の20代~50代の有職者を対象としてインターネットにより実施したものであり、有効回答者数は400人。

今の仕事に働きがいをもって取り組めているかを尋ねたところ、「十分に取り組めている」「ある程度は取り組めている」「どちらかというと取り組めている」が計56.3%であり、半数以上は働きがいを感じながら仕事をしている。

特に20代男性では「十分に取り組めている」が20%に上り、充足感が強い傾向にあるという。しかし、全体の約4割が働きがいを持てずに働いていると、同社は指摘する。

  • 今の仕事に働きがいをもって取り組めているか 出典: サイダス

自身の働きがいを高めるのに最も影響が大きいと感じるものを聞くと、40%以上の回答者が自己成長の実感と回答した。

  • 働きがいを高めるのに最も影響が大きい要素 出典: サイダス

自身とっての理想的な就労環境を複数回答で尋ねたところ、全体では「自身の成果が評価される」が54.3%で最も多く、以下「自身の成長を感じられる」(48.5%)、「自由と裁量が認められる」(41.8%)と続く。

  • 理想的な就労環境(全体) 出典: サイダス

40代男性に限ると、「自身の成果が評価される」(40.0%)、「自身の成長を感じられる」(44.0%)、「自由と裁量が認められる」(30.0%)とすべての回答が平均を下回り、他の世代と比較して自身の成長・成果を理想として追い求めるわけでもなく、自由と裁量が認められて自ら理想的な就労環境にしようという意欲があるわけでもないと同社は見る。

  • 理想的な就労環境(40代男性) 出典: サイダス

同社は、働きざかりの40代男性が就労環境に不満を持ちつつも、どうしたら理想的な就労環境になるのか分からない「モチベーション迷子」になっていると、指摘する。

同僚や上司・部下と必要なコミュニケーションを取れていない要因を複数回答で尋ねると、「人間関係が険悪」が37.8%と最も多い一方で、「リモートワークにより機会がない」は12.8%に留まる。

  • 同僚や上司・部下とのコミュニケーション状況 出典: サイダス

また、同僚や上司・部下がどのような仕事をしているか把握しているかを聞いたところ、「どちらともいえない」「把握していないところが多い」「把握していない」「興味がない」と回答した管理職は計21%に上り、業務上必要な実態把握をしきれていない管理職も多いと同社は見る。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大(コロナ禍)の影響でリモートワークを導入する企業が増えたことで、心理的な距離感によるコミュニケーション不足という根本的な課題が浮き彫りになったと同社は指摘する。

また同社は、コミュニケーションに支障は無くても、 業務実態の把握の難しさというリモートワークならではの課題はありそうだと推測する。

今の会社で働く理由を複数回答で尋ねると、「給料に満足しているから」が最多の29%、次いで「働きがいがあるから」(21%)だった。

一方、「特にない」との回答も24%あり、4人に1人は今の会社で働く理由やモチベーションを持てておらず、惰性で仕事していると同社は指摘する。

  • 今の会社で働く理由(全体) 出典: サイダス

なお、40代男性では「特にない」が28%と全体より多い。

  • 今の会社で働く理由(40代男性) 出典: サイダス