8月31日から9月2日まで幕張メッセで開催されている「第1回ネプコンジャパン【秋】」で、日立パワーソリューションズは、8月29日に発売を発表したばかりの超音波映像装置「FineSAT7」を展示し、検査を実演している。

  • 日立パワーソリューションズのブース展示の様子

    日立パワーソリューションズのブース展示の様子

近年、半導体のプロセス微細化や電子部品の小型化が進んでおり、メーカー各社には、より高い精度の品質検査が求められている。また、量産による実用化が期待される多層化構造の製品では、各層ごとの欠陥検査が必要になるため、作業効率や生産性の向上のために、透過法を用いた一括検査へのニーズが高まっているという。

日立パワーソリューションズは、超音波の反射・透過特性を利用して半導体デバイスや電子部品の微細な欠陥を非破壊で検出・画像化する装置「FineSAT」シリーズを販売している。今回の展示では、同シリーズの最新製品となるFineSAT7が、パッケージ化された半導体製品の内部検査を行う様子が展示されている。

  • 日立パワーソリューションズが展示したFineSAT7

    日立パワーソリューションズが展示したFineSAT7

同社のブース担当者によると、新製品の強みとして、画像の高画質化と検査範囲の広さが挙げられるとのことだ。

FineSAT7は、従来機よりも分解能を16倍、測定周期を2倍に向上させたADボードの採用により、デジタル処理後の特徴抽出精度を高めるなど、欠陥検出画像の高画質化を実現しているという。

また、従来は半分ごとの検査を行う必要があった300mmウェハについて、装置内の機器配置を見直すことで測定水槽を大型化し、一括での全面検査を可能にしたとしている。加えて、水槽内での検査対象物の移動や、超音波の反射の原因となる気泡の除去などの作業性も向上しているとする。

  • FineSAT7による半導体パッケージ内部の超音波検査の様子

    FineSAT7による半導体パッケージ内部の超音波検査の様子

前出のブース担当者は、「従来機では2回の工程に分けて半分ずつ検査を行う必要があった300mmウェハを、1回で撮影できるのがこの製品の特徴だ。300mmウェハの貼り合わせのニーズが高まる中、その検査作業を効率化できる製品だと思う」と語った。