NTT東日本は、8月22日~8月26日の5日間、「つなげてうみだすインターン」をテーマに、システムエンジニア(SE)・ネットワークプランニング等の実業務を経験できる技術系の職種別インターンシップを実施した。今回は夏期日程で、11月~12月にも同じ内容でインターンシップの実施を予定している。

同社の技術系インターンシップコースは、「システムエンジニア仕事体験コース」、「ネットワークプランニング仕事体験コース」、「AI/クラウド/セキュリティ仕事体験コース」の3つが用意されている。

同社は自社にマッチングする学生の採用に繋げるため、昨年、インターンシッププログラムを大幅にブラッシュアップし、ギブアンドテイク型のインターンシップを開発。学生が短期間でプログラムに没頭し能力向上を図る事ができ、さらに同社の魅力を深く知る事ができるプログラムを構築した。

プログラム変更の狙いについて、NTT東日本 総務人事部 人事第二部門 採用人事担当 小野寺惟文氏は「現在は学生にとって売り手市場になっており、優秀な学生を確保しようとすると、いままでどおりのやり方だと差別化が難しいということがあり、まずは、クオリティを高めるため、99%リアルな業務をやってもらうことになりました。日本一魅力的なインターンシップにしようと思い取り組みました」と説明した。

  • インターンシップはリモートで行われた。講師役の社員は、NTTの中央研修センタ(東京・調布市)で指導を行った(リモート参加も可能)。50名程度の学生を8チームに分け、それぞれに指導役の社員が付く

SEのコースでは、「法人事業」における「システムエンジニア」の業務の醍醐味を体感してもらうため、グループワークを通じて、NTT東日本が提供するソリューションはどのように作られるのかを、要件定義から最終コンペまでを経験し、現役社員によるフィードバックを行う。リアルな現場作業を体験してもらうことで、ミスマッチの無いIT人材の確保に取り組んでいるという。

  • SEコースのスケジュール,A@SEコースのスケジュール

「インターンシップに参加する学生さんは、NTT東日本に入社したいと考える学生が多く、NTT東日本で働くイメージをインターンシップでつかみたいと考える学生がかなり多いです。自分が考えているSEのイメージと実際のSEにギャップがないかを確認したいというのが、学生が一番知りたいことになります。入社したらイメージが違ったというのは、会社や私たちにとっても不幸ですので、リアルな業務を体験してもらい確認してもらうためのプログラムになっています」(小野寺氏)

経験豊富なSEをサポーターとし、事前学習等でフォローすることで、インターン自体のクオリティを維持することに努めたという。また、指導役はより学生に近い年次の社員を増やし、学生にとっての接しやすさを高めているという。

インターンシップによる同社の魅力の伝達について小野寺氏は、「通常、NTT東日本内でやっている業務を行ってもらうのは、学生にとってはかなりきついと思いますが、成果物をつくり上げることで達成感が得られると思います。また、業務知識がない自分がここまでのものを作り上げることができたという成功体験を経験できます。さらに、先輩社員がつきっきりで指導するというのも、かなり魅力的に感じられるのではないかと思います。ここまで、リアルに近い提案書を作成するというのは、うちが初めてだと思います」と述べた。

学生は、自分が成長できる職場環境かという点も、インターンシップで確認するという。

「自分が成長できるのかという視点でインターンシップに参加される学生も多いと思います。今回のインターンシップでは、NTT東日本のブランドというよりも、NTT東日本に入社したら5年後、10年後にこういったことができるということも感じられると思います」(NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 ソリューションビジネス部 公共グループ 第三担当八木原督真氏)

  • NTT東日本 総務人事部 人事第二部門 採用人事担当 小野寺惟文氏(左)、NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 ソリューションビジネス部 公共グループ 第三担当八木原督真氏(右)

昨年から変更したインターンシップでは、成果も出てきているという。

一昨年まで70~80%台であったインターンシップの満足度は、昨年の夏が99%、冬が93%と大きく増加。また、インターンシップへのエントリー数も、定員約150名(「システムエンジニア仕事体験コース」と「ネットワークプランニング仕事体験コース」)に700名程度だったものが、今年は1000名と、約1.5倍に増えたという。

同社は、学生の反応を見ながら、今後、プログラムをブラッシュアップしていくという。

  • インターンシップの最終日には、2会場でプレゼンを行い、それぞれ優勝チームを決定した。写真は2会場での優勝チームと指導社員