米国連邦取引委員会(FTC: Federal Trade Commission)は8月29日(米国時間)、「FTC says data broker sold consumers’ precise geolocation, including presence at sensitive healthcare facilities|Federal Trade Commission」において、米国のデータブローカーのKochavaが機密性の高い消費者の正確な地理的位置情報を販売していると伝えた。Kochavaは数億台のモバイル端末から収集した正確なジオロケーションデータを販売しているとして、FTCに告発されている。
FTCの訴状には、Kochavaが消費者の正確なジオロケーションデータを取得し、医療、宗教的礼拝、精神衛生、ホームレスおよびDV被害者、依存症回復などに関連する場所を含む消費者の移動を企業が追跡できるようなデータ形式で販売している違反行為があると記載されている。
Kochavaの顧客は25,000ドルのサブスクリプションをオンラインデータマーケットプレイスを通じて支払うことで利用可能なデータ形式を取得でき、モバイルユーザーの位置を識別および監視できるとされている。Kochavaによって提供されたデータが消費者をスティグマ、ストーキング、差別、失業、さらには身体的暴力の脅威にさらしていると説明している。
FTCは、Kochavaが提供している正確な位置情報は匿名化されていないため、同社の顧客がモバイル端末のMobile Advertising ID(MAID)と組み合わせて、モバイル端末のユーザーや所有者を特定することが可能であると強調している。顧客が消費者を特定したり、重要な場所に追跡したりすることを禁止する技術的な制御を採用していないとも指摘しており、地理的位置情報データの販売を停止し、収集した情報の削除をKochavaに要求している。