Synspective(シンスペクティブ)は8月26日、斜面崩壊などの土砂災害発生前の予兆変動を検知する地盤変動解析装置と地盤変動解析方法である斜面不安定性検知機能を開発し、特許出願したことを発表した。
近年、大雨による河川の氾濫、地震や地盤の劣化から起こる地滑りや地盤沈下など、自然災害の影響が日本はもちろんのこと、世界規模で人々の安全を脅かす大きな社会問題となっている。
そうした中、同社が提供している「Land Displacement Monitoring(LDM)」ソリューションサービスは、同社が開発し運用している小型合成開口レーダー(SAR)衛星からのデータの特徴を活かし、広域の地盤変動を解析し、その結果を提供するというものであり、広域な地表面の変動量をmm単位で検出し、時系列で表示することができるという。
2021年4月には、同サービスによる陥没の可能性がある箇所を特定する陥没領域抽出機能も追加。さらに今回、新たに、地滑りや斜面崩壊という地盤災害の前兆を発見して警告するための解析装置および解析方法も開発したという。
今回の技術によって、どの時点のどの場所で、地盤災害の前兆たり得る変動が起きているかといった地盤変動の状況を捉えることができると同社では説明する。これにより、捉えた地盤変動の状況に基づいて、実際に地盤災害が発生する前にその前兆となる現象が起きていることを報知し、災害リスクの早期警告などに活用することが可能となるとしている。また、時系列顕著性データのうち、一部期間の顕著性指標値を対象として前兆地点を検出することにより、地盤変動の状況を捉え、警告も行えるという。
なお同社は、衛星データを活用した今回の新たな技術により、人々の安全と持続可能な社会の実現に向けて前進できることを考えているとしている。