米中西部のオハイオ州、ミシガン州、インディアナ州にある12の大学とコミュニティカレッジ(公立の2年制短大)が半導体に関する「中西部地域ネットワーク(Midwest Regional Network)」を形成し、共同で半導体人材を育成する計画をオハイオ州立大学はじめ各大学が発表した。

Intelがオハイオ州に200億円を投資してメガファブを作る計画を2022年1月に発表し、7月には米国のレガシーファウンドリSkyWaterがインディアナ州のパデュー大学構内に半導体工場を作ることを決め、いままで半導体産業とは縁遠かった米中西部が半導体ブームに沸いているが、同地域で半導体人材を積極的に育てなければ、IntelやSkyWaterからの人材の需要にこたえられない事情が背後にはある。関係者は、国家レベルの国内半導体産業振興に呼応した動きだとしている。

ネットワークを組む12校は以下の通り。

  • オハイオ州立大学(Ohio State University)
  • ケースウェスタンリザーブ大学(Case Western Reserve University)
  • ミシガン州立大学(Michigan State University)
  • パデュー大学(Purdue University)
  • シンシナティ大学(University of Cincinnati)
  • デイトン大学(University of Dayton)
  • ミシガン大学(University of Michigan)
  • ノートルダム大学(University of Notre Dame)
  • ライト州立大学(Wright State University)
  • コロンバス州立コミュニティカレッジ(Columbus State Community College)
  • ローレイン郡立コミュニティカレッジ(Lorain County Community College)
  • シンクレアコミュニティカレッジ(Sinclair Community College)

12校は連携して、既存の研究を行うだけではなく、カリキュラムや実験計画、専門知識の習得などを充実させて、米国内の半導体イノベーションとサプライチェーンのエコシステムをサポートできる体制を築く。具体的には、次の3項目から手掛けるという。

  • 共通でセキュアな情報共有プラットフォームを開発し、関心のある専門知識、機器、施設、およびカリキュラムプログラムを簡単に検索できるようにする。
  • 地域間の協力を奨励するためにワークショップなどを開き、半導体産業のエコシステムを通して地域の半導体能力を高めるための資金調達活動を促進する。
  • 地域全体の既存の研究や施設、カリキュラムやトレーニングの資産をつなぎ、半導体を試作できる仕組みを開発し、地域のニーズやチャンスを引き出し最適化する。