IDC Japanは8月29日、国内データセンターサービス(顧客企業の情報システムを情報サービス事業者のデータセンター内で運用監視するサービス)市場の最新予測を発表した。
それによると、2022年の国内データセンターサービス(DCサービス)市場は、前年比15.3%増の2兆275億円と、初めて市場規模が2兆円を超えるという。また、2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR)は12.8%と高い成長率が維持されるとIDCはみており、2026年の市場規模は3兆2,083億円になると予測した。
ITインフラのリモート運用やインターネット上のサービス利用拡大に後押しされ、データセンター利用は順調に拡大。特にクラウドサービス分野ではパブリッククラウドサービスの高成長が続いているのに加え、クラウドサービスプロバイダーに大規模DC設備を貸し出すタイプのサービス(ホールセールコロケーション)も伸びている。特に海外のコロケーション事業者による新規参入が増え、市場規模が急拡大しているという。
他方で世界的なエネルギー価格の上昇でDCの電力コストも増大。これはDCサービス価格の上昇につながるが、クラウド環境利用とDCサービスに対するニーズは、サービス価格が上昇しても堅調に増大するため、市場の成長を阻害する可能性は低いとIDCではみている。
IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤 未明氏は、「DCサービス事業者は、オンプレミスとクラウドをハイブリッドに利用するためのコンサルティングやネットワーク接続サービスなどの成長分野に注力することになる」と分析している。