Googleは8月29日、オンラインでキャリアアッププログラム「Google Career Certificates」日本版を発表した。Google Career Certificatesは、IT分野で専門性が高く需要のある職につくための、オンラインキャリアアッププログラムとして同社が独自に開発したもので、2018年に米国やそのほかの国でスタートしている。
第1弾としてデータアナリティクスプロフェッショナル認定証プログラム
同プログラムは週10時間、3~6カ月にわたる学習により即戦力となる問題解決能力を身に付けるプログラムとなり、キャリアアップにつながる実践的な内容を学ぶことを可能としている。
実践的な知識と問題解決能力を身につけ、組織における即戦力となる人材を育成することを目的としており、合格基準を満たすとGoogleから認定証を取得できる。米国では、受講者の75%が「6カ月以内に昇給や新しい仕事の機会を得た」など、キャリアにポジティブな影響を受けたという結果が出ているという。
日本での第1弾は、企業側、受講者側双方のニーズが高い「Googleデータアナリティクスプロフェッショナル認定証プログラム」となる。
従来からGoogleでは、2017年に同社が培ってきたプロダクトやプラットフォーム、サービスの知見を結集してデジタル活用のスキル向上に貢献するためのプロジェクトとして「Grow with Google」を米国で立ち上げるなどデジタル人材の育成に取り組んできた。
2019年に日本法人でもデジタルスキルを底上げし、ビジネスやキャリアを発展させる同時に、日本経済の成長に寄与するために同プロジェクトを開始。
170以上のパートナーとともに、2022年までに日本国内において1000万人にデジタルスキルトレーニングの提供を目指し、個人、ビジネス、学生・教育者、スタートアップ、デベロッパーと、さまざまな領域の人に無料のデジタルスキルトレーニングを提供している。これまで、パートナーと47都道府県で900万人以上がトレーニングを受けている。
その最大の特徴はマーケティングから働き方改革・チームの効率化、インターネットセキュリティ、教育をはじめ、幅広い無料トレーニングを揃えている点であり、地域創生や中小企業でも活用されている。
Google シニア プロダクト マーケティング マネージャーの岡村有人氏は「政府が掲げる『デジタル田園都市国家構想』では、2026年までに230万人のデジタル推進人材の育成を目標としており、官民一体となった取り組みが必要だ。また、調査ではビジネスパーソンの9割はリスキリングが必要だと回答している。これらをふまえて、今年6月には政府や地方自治体、民間企業など60のパートナーで組成した日本リスキリングコンソーシアムを立ち上げており、Googleでは高度なトレーニングプラグラムの開発を通じて、ビジネスや組織にイノベーションをもたらす人材育成を後押しするため、Grow with Googleのプログラムを拡充し、Google Career Certificateのデータアナリティクスプロフェッショナル認定証の提供を日本でも開始する」と、プログラム開始の意義を説明した。
先着6000人は無料で受講が可能
米国では、日本で提供を開始するデータアナリティクスプロフェッショナル認定証に加え、「ITサポートプロフェッショナル認定証」「プロジェクトマネジメントプロフェッショナル認定証」「UXデザインプロフェッショナル認定証」「デジタルマーケティング&Eコマースプロフェッショナル認定証」の5つを提供している。
データアナリティクスプロフェッショナル認定証では、講義の視聴、テスト、実習を通して、初歩的なデータアナリスト業務に必要な、主要スキル(データクリーニング、分析、可視化)とツール(スプレッドシート、SQL、Rプログラミング、Tableau)の使い方を学位や事前知識は不要で習得できる。
自分のペースでいつでも学ぶことができ、受講時間は平均180時間以上でプログラム終了までの目安は週10時間受講した場合、約6カ月間。受講料は月額39ドルとなり、コースは基礎知識から実践までを網羅した8コースで構成し、分析のプロセスに沿ってデータアナリティクス全体を構造的に学び、すべてのコースを受講した際は修了証が認定付与される。
プログラムへの登録方法はGrow with GoogleのWebサイト経由、学習プラットフォームのCoursera経由、日本リスキリングコンソーシアムからのWebサイト経由となる。通常、Coursera経由の場合は39ドルの受講料を負担するが、日本リスキリングコンソーシアムを通じて2022年12月26日までに登録すれば先着6000人は無料で受講できるという。