KDDIは8月29日、ジェノバと連携して、誤差数センチメートルのリアルタイムな位置測位が可能だという高精度位置測位情報配信サービス「KDDI高精度位置測位サービス(VRS-RTK)」を法人向けに提供を開始することを発表した。
従来の土木工事などの作業現場では、作業進捗確認のために専用機器を用いて位置を計測する必要があったが、同サービスとスマートフォンやドローンなどのデバイスを組み合わせて利用することで、これまで以上に高精度な位置測位を簡便に実施可能になるのだという。建設業、農業、自動運転、防災、防犯、災害復旧、インフラ点検などを行う法人への導入を見込む。
同サービスでは、高精度位置測位のための補正情報をインターネットを通じて配信する。この補正データとユーザーのGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)受信機で観測したデータを組み合わせて、リアルタイムに誤差数センチメートルの高精度位置測位が可能になるとしている。
同サービスでは、国土地理院が全国に設置している約1300点の電子基準点網のデータをリアルタイムに収集し、仮想的な基準局を利用者の近傍に作成するVRS(Virtual Reference Station:仮想基準点)方式を採用している。これにより、ユーザーの近傍に物理的な基準局がなくても、仮想的な基準局を利用することで誤差数センチメートル以内のリアルタイム測位を実現するとのことだ。