中CINNO Researchによると、2022年第1四半期における半導体製造装置メーカー上位10社の売上高合計は前年同期比4.4%増、前四半期比9.4%減の234億ドルとなったという。

各社を本社所属地域別にみると、トップ10のうち5社が日本企業だが、トップ5では米国勢が3社ともっとも多い。トップ10に同四半期で入るためには5億ドル以上の売り上げが必要なほか、トップ4に入るためには39億ドルを超す必要がある。CINNO Researchでは、「最近、半導体業界は一部で需要の弱さが見られるが、長期的な需要は継続しており、製造装置市場は好調が続く」と分析している。

売上高1位は、従来同様Applied Materials(AMAT)だが、2位に東京エレクトロン(TEL)が浮上したのが注目される。トップ5社の概要は以下のとおり。

  • 半導体製造装置メーカーの2022年第1四半期売上高ランキングトップ10

    半導体製造装置メーカーの2022年第1四半期売上高ランキングトップ10(単位:億ドル。各社半導体事業の売上高のみ集計。為替は2021年が1ユーロ=1.20ドル、1円=0.009ドル、2022年が1ユーロ=1.11ドル、1円= 0.008ドル) (出所:CINNO Research)

1位:AMAT

世界最大の半導体製造装置メーカーであるAMATの半導体事業は、半導体プロセスのほぼ全体をカバーしている。主な製品としては、薄膜堆積(CVD、PVDなど)、イオン注入、エッチング、高速熱処理、CMP、測定/検査装置となっている。2022年第1四半期の当該事業の売上高は、前年同期比13.0%増、前期比1.0%減であったという。

2位:東京エレクトロン(TEL)

日本最大の半導体製造装置メーカーである東京エレクトロン(TEL)。主な半導体製造装置は、コーター・デベロッパー、熱処理装置、ドライエッチング装置、CVD装置、ウェット洗浄装置、検査装置となっている。同四半期の当該事業の売上高は、前年同期比14.2%増、前期比2.9%減であったという。

3位:Lam Research

Lamは、主に半導体製造用のエッチング装置、薄膜堆積装置、および洗浄装置を得意としている。同四半期の当該事業の売上高は、前年同期比5.5%増、前期比3.9%減であったという。

4位:ASML

世界最大の露光装置メーカーであり、唯一のEUV露光装置メーカーであるASMLの同四半期における当該事業の売上高は、前年同期比25.2%減、前期比で34.6%減となった。顧客の迅速納品の要求を受け、EUV露光装置の最終検査の一部を行わず出荷を早め、客先での最終検査としたものの、顧客の試作の合間に行わざるを得ず、検収が遅れたことが、売上高の減少をもたらしたという。

5位:KLA

KLAは、欠陥検査、膜厚測定、CD測定、重ね合わせ精度測定など半導体工程検査・測定装置で強みを見せる。当該事業の売上高は、前年同期比31.2%増、前期比3.2%減少であったという。

6位以下の概況は以下の通り。6位はSCREENで同四半期の当該事業の売上高は、前年同期比9.6%増、前期比4.9%減。7位は日立ハイテクで当該事業の売上高は、前年同期比19.5%増、前期比45.7%増。8位はアドバンテストで当該事業の売上高は、前年同期比7.7%増、前期比12.6%減。9位はディスコで当該事業の売上高は、前年同期比14.9%増、前期比1.1%減。そして10位は、ASM International(ASMI)で当該事業の売上高は前年同期比21.1%増、前期比2.9%減となっている。