TrendForceによると、2022年第2四半期の新エネルギー車(NEV:電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池車など)の販売台数は、前年同期比53.5%増の219.2万台となったという。内訳としては、電気自動車(BEV)が同64.9%増の160.8万台、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)が同29%増の58万台であったという。
BEVブランド別のシェアでは、Teslaが依然としてトップながら、第1四半期の20.1%から15.9%へとシェアは下落傾向となっている。背景には、4月に行われた中国上海の都市封鎖によって同社の上海工場の生産が減少したこと、ベルリン工場ならびにテキサス工場での大量生産がまだ開始していなかったこと、などがあるという。現在、同社は新工場の量産能力を精力的に増強するだけでなく、7月には上海工場をアップグレードして生産能力を増強したという。
シェア2位の中BYDは、車種に関して豊富なオプションを提供することでシェアを第1四半期の9.3%から、第2四半期には11.2%に上昇させている。中国勢は、中国市場の優位性もあり、同四半期のトップ10社に6社がランクインしている。中国市場に依存していないトップ10ブランドとしては、韓Hyundaiと韓KIAがあり、これら韓国勢は主な市場を、韓国、欧州および北米としている。特筆すべきは、高級車メーカーのBMWとメルセデス・ベンツが、BEVへの移行を加速させた結果、12位と14位にランクを上昇させたことであるとTrendForceでは説明している。
同四半期のPHEVに関しては、BYDが17万3000台を販売し、シェア29.8%で1位となっている。また、中Li Auto がランキングに入ってきたほか、英MG(上海汽車が買収)やスウェーデンLYNK & CO(吉利汽車とVolvoが設立した合弁会社)が10位にランクインした。いずれも中国の国内市場で急成長している需要をうまくつかんだ結果だという。反対に、欧州市場のPHEVは2四半期連続で前年同期比マイナス成長となっており、欧州ブランドの成長を阻害する要因となっているという。PHEVは、走行中に炭素を排出してしまうが、大型車などの炭素排出を削減するための優れた代替手段と見なされているという。
なお、自動車の生産プロセスには多くの障害が残っているが、TrendForceでは2022年下半期に、状況が徐々に改善すると予想している。また、NEVの伸びは変わらず、全体の販売見通しも楽観的であるとしており、自動車市場全体におけるNEVの普及率は、2022年には13%に達するとTrendForceは予想している。