ピーエスアイ(PSI)とSAPジャパンは8月24日、地域の農産業活性の支援を目的として、PSIの「DMC(Digital Material Controller)」と「SAP BTP(SAP Business Technology Platform)」の連携を基軸としたデジタル・サプライチェーン・プラットフォームの提供を開始すると発表した。

DMCはオールインワン型のエッジサーバで、サイバー防御にも対応するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)環境を構築できる。一方のSAP BTPは、データベースとデータの管理、アプリケーションの開発と統合、分析、インテリジェントテクノロジーなどで構成される統合型の製品。

今回両社が提供を開始するデジタル・サプライチェーン・プラットフォームでは、DMCが各種センサーから収集したデータをセキュアにサイバー防御しながらSAP BTPとリアルタイムに連携し、SAP BTPはDMCから受け取ったデータに基づいてAI(Artificial Intelligence:人工知能)などを活用した分析とレポーティングを実施する。

過去に実施した実証実験では、埼玉県秩父郡にある放棄農地や小規模農産業を対象に同プラットフォームを導入し、味噌蔵の熟成工程の可視化に挑戦したという。味噌蔵の温度や湿度をDMCに無線接続したセンサーで測定し、そのデータをSAP BTPで分析しリアルタイムに分析結果を味噌蔵で表示させることで、適切な味噌蔵の温湿度の管理が可能となり、熟練してない職人でも高品質な味噌づくりを行えたとのことだ。

両社は今後について、DMCとSAP BTPの連携を基軸としたプラットフォームを多くの地域に展開することで、地域の農産業活性の支援をするとともに、社会の持続可能性と農産業物の自給率向上への貢献を目指すとしている。