MM総研は8月24日、企業の情報システム担当者を対象にWebアンケート調査を実施して集計した、2022 年6月時点の国内クラウドサービスの市場動向を発表した。
2021年度のクラウドサービスの市場規模は3兆5723億円で、前年度比24.3%増となったという。同市場の内訳を見ると、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)などのパブリッククラウドの市場規模は1兆5249億円と推計されるとのこと。
一方、プライベートクラウド(コミュニティクラウド、デディケイテッドクラウドなど)の2021年度市場規模は2兆474億円となり、初めて2兆円に到達したとしている。
PaaSもしくはIaaSを導入済み、もしくは導入を検討している1,042社を分析したところ、PaaS利用企業のうち、AWS(Amazon Web Services)を利用している企業は60.0%と、半数以上を占めていることがわかった。以下、Azure(Microsoft Azure)(48.2%)、GCP(Google Cloud Platform)(28.8%)が続いている。
同社は、PaaS市場およびIaaS市場で、上記3社の利用率の高さが際立っており、その傾向は昨年からより高まったと分析している。前年度の調査(2021年6月調査)では、PaaS利用者のうちAWSの利用が37.4%、Azureが30.6%、GCPが15.9%、また、IaaS利用者では、AWSが40.3%、Azureが26.3%、GCPが13.7%だったという。
大手クラウド3社の利用率が高まった理由としては、社内のあらゆるシステムにPaaS/IaaSを利用する機会が増えたことが挙げられている。例えば、「情報系システム」にPaaS/IaaSを利用している企業のうち、78.6%がコンピューティングリソースにAWSを、29.2%がAzureを、16.9%がGCPを使用しているという。
これに対し、コンピューティングリソースとしてオンプレミス環境を利用する企業は11.0%で、AWSの約7分の1にとどまっているとのことだ。