インフィニオンテクノロジーズとII-VI(ツーシックス)は8月23日、炭化ケイ素(SiC)ウェハの複数年供給契約を締結したと発表した。
シリコンと炭素の化合物であるSiCは、効率的で堅牢かつシステムレベルでは低コストのパワー半導体向け材料として、その重要性が高まっている。SiCの優位性は、太陽電池コンバータや産業用電源に加え、e-モビリティの分野でも顕著に表れており、電気自動車のドライブトレインの主要インバータ、車載バッテリ充電ユニット、充電インフラで使用されている。
インフィニオンのCoolSiCブランドは、すでに産業用パワー半導体アプリケーション向けのポートフォリオとして存在感を増しており、同社のSiC半導体の売り上げは、2020年代前半には年平均60%以上で成長し、2020年代半ばまでに約10億ドルに達すると予想されるという。
インフィニオンは、今回の契約締結によって戦略的半導体材料へのアクセスを強化し、同分野における顧客からの需要増加に対応するとしている。また、同契約はインフィニオンのマルチソーシング戦略をサポートし、サプライチェーンの安定性を高めるとのことだ。
なお、II-VIからインフィニオンへの最初のSiCウェハの納入はすでに行われており、加えて両社は、直径200mmのSiCウェハへの移行においても協力しているという。