Samsung Electronicsは8月19日、2028年までに総額20兆ウォン(約2兆円)を投資して、同社の半導体発祥の地である器興事業所内の約10万9000平方メートルの敷地に、巨大な半導体研究開発複合施設の建設を開始したことを発表した。
新施設では、メモリやシステム半導体の次世代デバイスやプロセスの微細化に関する先端研究や、長期ロードマップに基づく革新的な新技術の開発を行うとしている。新しい研究開発施設の設立により、Samsungは半導体のスケーリングの限界を克服し、半導体技術における競争力を強化し、TSMCやSK Hynix、Micron Technology、キオクシア/Western Digitalなどといったライバルに差をつけることを目指すとしている。
同日行われた起工式には、Samsung Electronicsの副会長で事実上のトップである李在鎔(イ・ジェヨン)氏はじめ、同社Device Solutions(半導体事業)部門のメモリ、システム半導体、ファウンドリ各事業のプレジデントらが顔をそろえた。
韓国の首都ソウルの南、DS部門の本部のある華城事業所に近い器興事業所は、1992年に64MビットDRAMが誕生した場所として知られている。この新たなR&D施設は、華城のR&Dラインと平沢の世界最大級の半導体生産拠点と連携することで、相乗効果を高めることが期待されるという。
なお李副会長は器興での式典の後、半導体事業本部のある華城事業所を訪れ、DS部門の従業員と懇談し、社内でイノベーションを促進する方法について話し合ったという。また、DS部門の幹部との別の会議では、世界の半導体業界における現在の問題、次世代半導体技術の研究開発の進展、および自社の存在感強化に向けた技術確保方法に関する議論などを行ったという。