NECは8月22日、海陽学園 海陽中等教育学校(海陽学園)に対して、決済金額に応じた従量課金で利用可能な「顔認証決済サービス」のパッケージプランを提供すると発表した。海陽学園の生徒・教職員約600名が利用する構内の売店において、2022年10月より顔認証決済の運用を開始する予定だ。同サービスの導入により、手ぶら・非接触での買い物が可能になる。
同サービスの導入にあたっては、生徒本人と保護者の同意の下で、生徒の顔写真や決済と紐づけるプリペイドカードなどの情報を事前にシステムへ登録する。一度登録すれば、商品を購入する際に、売店レジに設置したタブレットでマスクをしたまま本人認証と非接触決済が行える。また、購入商品などの情報を登録したメールアドレスにリアルタイムに配信できる。
なお、事前に登録する顔認証データに対して変換関数(鍵)を用いて変換した状態で認証する「キャンセラブル生体認証」を実装しているため、、万が一登録した顔認証データが漏えいしてしまった場合でも、変換に用いる鍵を変更することで漏洩した顔認証データを無効化することが可能だ。
同サービスは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の課題解決に必要な製品・サービス構成、全体価格、契約、納品や運用保守の役務などを定型化した同社の「DXオファリングメニュー」の一環となる。顔認証決済サービスの提供にあたって、従来は個々の要件に応じてシステムを構築・提供していたが、パッケージ化により短期間での導入が可能になった。なお、サービスの提供は2022年7月より開始している。
全寮制の中高一貫校である海陽学園では、従来、生徒には現金を持たせず、学園内での買い物は決済用ICカードを持たせて運用していた。だが、独自の決済システムを保持しているため運用維持にかかる負担が大きく、生徒が決済用ICカードを紛失してしまうなどの課題があり、2021年に顔認証決済に対応した自動販売機を設置。今回、利便性向上のために売店での導入が決まった。