ベトナムのPhạm Minh Chính首相が8月上旬、ハノイのベトナム政府庁舎内で開催されたSamsungグループでスマートフォン部門を率いるRoh Tae-moon(盧泰文)氏の歓迎式典においてベトナムでの事業拡大を要請、盧氏は「Samsungグループは、ベトナム北部のタイグエン省にある工場で2023年7月にフリップチップボールグリッドアレイ(FCBGA)の商業生産を開始する計画である」と述べたとベトナム政府系ニュースサイトが伝えている。

Samsungグループは、タイグエン省イェンビン産業団地に建設しているFCBGAの大量生産とインフラ構築に向け、2023年までに8億5000万ドルを投じる予定だという。Samsungは現在、ボールグリッドアレイ製品をテストしており、2023年7月から大量生産する計画だとしている。Samsung Electromechanics(サムスン電機)は非公式にベトナムへの投資すると述べていたが、今回の盧氏の発言によってそれが追認された形となる。

ベトナムはSamsungの貿易と投資の増額を期待

ベトナム首相は、「韓国は現在、ベトナム第3位の貿易相手国であり、2021年には二国間貿易額が780億ドルに達し、ベトナムの対外貿易総額の11.6%を占めている。韓国はベトナムで最大級の外国投資家であり、9,383件の投資プロジェクトが進められ、それは800億ドル近くに相当する」と述べ、ベトナムへのSamsungによる投資を歓迎したという。一方の盧氏も、Samsung Vietnumが2022年上半期の輸出で前年同期比18%増の343億ドルを稼いだこと、2022年通年の輸出売上高目標が690億ドルであり、ベトナムにさらに33億ドルの投資を計画していることを伝えたという。

ハノイのSamsung R&D Center、年内完成に向けた工事の進捗は85%

Samsung Electronicsは2020年からハノイに巨大なR&Dセンターの建設を進めており、現在、工事の進捗は85%に達しており、2023年前半にも業務を開始し、ベトナムと東南アジア地域全体にサービスを提供する予定だという。Samsungでは、この取り組みに2億2000万ドルの投資を行っているという。敷地面積は約7万9000平方メートルで、地上16階、地下3階の巨大ビルが建設中である。SamsungのR&Dセンターとしては東南アジア最大規模となる。モバイルおよびネットワークのハードおよびソフトの開発とサービスを主に担当するという。このR&Dセンターが完成すると、現在ハノイ市内にあるSamsungモバイル研究所の2200人を含めた3000人が同センターで働くことになるという。