NTTデータは8月19日、最先端技術の探索や顧客との共創を推進する組織となる「イノベーションセンタ」を2022年8月中に設立し、活動を開始すると発表した。同センタでは、5~10年先に主流となるであろう先進技術(Emerging領域)の見極めや、顧客との共創R&Dを通した新たなビジネス創出に取り組む方針だ。
具体的には、技術戦略を策定する「戦略本部」のほかに、検討・提案の活動拠点となる「ローカルセンタ」を日本・北米・イタリア・ドイツ・中国・インドに設置し、リサーチャー、コンサルタント、エンジニアを中心としたエキスパート100名の体制で取り組みをスタートする。2025年度末までには300名体制に増強し、世界トップクラスの先進技術活用力の獲得を目指すという。
戦略本部はグループ全体の中長期の技術戦略を策定し、実現に向けてローカルセンタ連携をコーディネートする役割を担う。今後は各ローカルセンタから戦略本部に集約された多数の技術候補から、各地域の技術・マーケット動向などを踏まえつつ、取り組みテーマを選定しR&Dを推進するという。
ローカルセンタでは、戦略本部の方針を基に先進技術の可能性を探り、国内外のイノベーター顧客との関係構築・共創型のR&Dを推進する。また、先進技術の目利きとして、大学・スタートアップとの関係強化を進め、現地で先行する技術情報も幅広く収集する。
各ローカルセンタが取り組む技術テーマは以下となる。
- 日本:NTT研究所技術(ゲノム、メタバース、量子コンピューター)
- 北米:顧客接点関連技術(デジタルヒューマン、スマートシティプランニング)
- イタリア・ドイツ:データ処理・シミュレーション技術(量子コンピューター、デジタルツイン)
- 中国:LiDAR(リモートセンシング技術)、メタバースといったハードウエア関連技術など
- インド:プロトタイプ開発の拠点としての体制づくりを進める