NTTアドバンステクノロジ(以下、NTT-AT)は8月18日、日本工営、東芝、東日本電信電話 埼玉西支店(以下、NTT東日本)と共同で、ゲリラ豪雨による突発的な水害への対策として、高精度かつリアルタイムな降水予測データを活用した、自治体職員の災害対応業務の有効性に関する実証実験を開始すると発表した。実証は埼玉県ふじみ野市の協力の下で、8月19日から12月28日まで実施する。

今回の実証実験では、気象レーダMP-PAWR(マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ)と、国土交通省のレーダネットワークであるXRAINを活用して、改良版VIL-NC(Vertically Integrated Liquid water content - NowCast)によって局地的豪雨の兆候と雨量を発生30分前に高精度に予測するという。

また、複数の降雨観測データを用いて精度を高めた予測情報を活用して対象エリアの浸水予測シミュレーションをリアルタイムに行い、時系列でアニメーション表示することで自治体職員のさまざまな判断を支援する予定だ。

そのほか、浸水予測シミュレーションの結果に基づいて、数時間先までの浸水による危険度が確認可能な動的な浸水ハザードマップの作成も試みる。

危険が迫る地域の利用者のスマートフォンアプリに対して、浸水予想区域や浸水深情報を動的ハザードマップ情報として届け、自治体職員などの体制準備や対応指示などにおける実行、避難情報の発令判断の支援にもつなげるとしている。

さらに、これらそれぞれの仕組みを連動させ1つのシステムとして実際の災害対応業務で活用するのが、今回の実証の特徴とのことだ。

  • 実証実験の概要図

    実証実験の概要図