北広島町とNTTビジネスソリューションズは8月10日、道路設備の点検業務の省コスト化を目的として、簡易カメラによる画像取得と画像認識AIによる設備点検に関する社会実験を開始したことを発表した。

同実験で用いる画像認識AIは日本電信電話 アクセスサービスシステム研究所が構築した技術であり、簡易カメラによる画像取得はNTTフィールドテクノが技術支援を実施する。

  • 実験のイメージ

同実験は、老朽化が進んだガードレールなどの沿道設備の点検・補修が自治体にとって大きな課題となっていることを背景に、社会インフラ設備の維持管理業務をデジタル化することでコストを抑え、住民が安心して暮らせる持続可能な社会を実現するため、北広島町、NTTビジネスソリューションズおよびNTTAS研の3者によって実施される。

同実験では、簡易カメラを取り付けた車両で北広島町が管轄する町道を走行して沿道の画像を取得した後、取得画像から画像認識AIを用いて、標識とガードレールの沿道設備ならびに、当該設備の錆を自動検出し、設備点検を行う。なお、車両は北広島町が町内巡回などに用いる公用車、およびNTT西日本グループが所有する普通自動車を使用し、簡易カメラは市販のデジタルカメラを用いて、沿道を動画で撮影する。

NTTビジネスソリューションズは、同実験を通じて、人手を増やすことなく点検業務を実施する「ながら点検」の実現を目指しており、町内巡回などの点検業務以外で走行した車両で取得した画像から、画像認識AIにより設備の状態を把握することが可能なため、点検業務に必要な人的稼働のコスト削減が期待できるとしている。

今後は、2022年8月末まで「車両による画像取得」を行い、2022年9月末まで「取得画像から画像認識AI※による設備と錆の自動検出の評価」、また2022年10月末まで「簡易カメラと画像認識AIによる点検業務DX化の有効性の評価」を行う予定だという。