アドビは8月10日、「金融デジタルサービス利用実態」に関する調査結果を発表した。同調査は、銀行および証券会社のWebサイトおよびモバイルデバイスにおけるサービスの利用実態を明らかにすることを目的としたものだ。なお、調査対象者は銀行および証券口座を保有する国内の20~60代の男女計1000名となる。
同調査では、金融関連のデジタルサービスを利用する際に重視する点を世代別に聞いている。その結果、20~30代は「スマートフォンだけで完結できる」や「写真・本人確認書類等のデジタル対応」を重視する傾向が強く、50代以上では「セキュリティ」を最も重視していた。「スマホ完結」重視の傾向は特に20~30代女性で強く、最も高スコアだった。
また、40代以上の女性の約4割は「申込や操作手順の少なさ」を重視しており、サービスによりわかりやすいUI/UXが求めていることが考えられると同社は分析する。
このほか、デジタルサービスの利用頻度が高くなった時期について聞いた設問では、銀行と証券ともに、新型コロナウイルスの影響で外出が制限された「2020年頃」と「2021年頃」の回答が多かった。同社では、外出制限ならびに窓口での対面サービスに対する心理的抵抗がデジタルサービスの利用を後押ししたと分析する。
調査結果に対して、アドビ デジタルメディア事業統括本部 ビジネスデベロップメントマネージャーの岩松健史氏は、「今回の調査から、コロナ禍を機に金融サービスの分野でもデジタル化が加速していることがわかった。また、デジタルネイティブである若い世代はセキュリティへの懸念が低い一方で、40代以上の利用者は依然としてデジタルサービスに対して不安を抱いていることが浮き彫りになった」とコメントを残した。