凸版印刷は8月9日、アルミ箔からの置き換えでCO₂排出量削減を実現する、透明バリアフィルムブランド 「GL BARRIER」を活用したパッケージをグローバル市場へ展開している一環として、「GL BARRIER」を使用したレトルト食品パウチとモノマテリアル口栓付き食品パウチにおいて、2021年度1年間の出荷量からCO₂排出量を算出した結果、アルミ箔を用いたパッケージに比べ、81,000トンのCO₂排出量削減効果となったことを発表した。このCO₂排出量削減効果は、1世帯から排出される年間のCO₂量の約28,000世帯分に相当する量だという。
「GL BARRIER」は、凸版印刷が開発した世界最高水準のバリア性能を持つ透明バリアフィルムの総称。独自のコーティング層と高品質な蒸着層を組み合わせた多層構造で、安定したバリア性能を発揮し、食品から医療・医薬、産業資材に至る幅広い分野で採用されている。印刷基材とバリア基材の双方の機能を兼ねること、電子レンジ対応が可能であることなどにより、アルミ箔代替、層構成の合理化を図ることができるという。
今回の結果は、同じ基準で算出した2020年度の実績63,000トンから約29%削減効果が伸長している。その要因としては、「パッケージのモノマテリアル化(単一素材化)が進む欧米市場において、口栓付き食品パウチを中心に、アルミ箔から「GL BARRIER」のポリプロピレン仕様である「GL-BP」への置き換えが進んでいること」や「利便性と環境配慮のニーズから、金属を用いず、調理にかかるエネルギーも少ない電子レンジ調理が可能なレトルト食品包材の消費が増えたこと」などがあるという。
凸版印刷は、今後も脱炭素社会の実現に向け、モノマテリアル化を含めた「GL BARRIER」への置き換えや、CO2排出量の見える化による最適な包装設計により、パッケージを通したCO₂排出量削減に貢献していきたい考え。