DNPは8月8日、UR、名古屋大学、愛知県春日井市が進めている高蔵寺ニュータウン(春日井市北東部)における「交通結節点のスマート化によるにぎわいのある安心安全なまちづくり」の共同研究に、「DNPモビリティポート」を提供することを発表した。
高蔵寺スマートシティプロジェクトは、全国に2,000地区以上存在するニュータウンへの展開を見据え、春日井市・UR・名古屋大学と民間企業を中心とした産学官連携で、地区内自動運転サービスやAIオンデマンド交通を含むニュータウン型MaaSの構築とスマートシティの実現を目指して活動しているもの。
プロジェクト内での提供が決まった「DNPモビリティポート」は、住民や観光客、高齢者や若者などの誰にとっても、多様な交通手段が利用しやすい環境をつくり、周遊を促す移動最適化サービス。今回の共同研究では、商業施設に同サービスのコミュニケーション端末を設置し、デマンド乗合いタクシーの手配や周辺地域情報の発信により、住民等の利便性向上を図るという。また、商業施設の店舗などの広告やクーポンサービスと連動することで、地域のにぎわいづくりに対する効果を検証する方針。共同研究の結果は、今後の同地域での高蔵寺スマートシティプロジェクトに反映していく予定になっている。
共同研究実証実験への同サービスの提供期間は8月8日~9月2日で、場所は高蔵寺ニュータウンの商業施設であるアピタ館内。 駐車場側コンコースに、「DNPモビリティポート」コミュニケーション端末・屋外型1台を設置し、中央台バス停出入口に、「DNPモビリティポート」コミュニケーション端末・屋内型1台を設置するという。
コミュニケーション端末では「循環バスやデマンド乗合いタクシーのリアルタイムな車両位置情報の表示」「高齢者にも分かりやすいデマンド交通の予約」「SNSに対応した、見やすく・直観的にわかりやすい地図をベースとした『DNP MAPベース地域情報発信プラットフォーム』での地域情報・店舗情報の提供」の3つの機能が使用できるという。
今回DNPは、これまで各地で実証実験を進めてきた個々の機能をまとめて提供することで、高蔵寺ニュータウン・センター地区での住民などの移動・回遊を促進していきたい考え。また、同サービスを利用したMaaSによって、一人ひとりの生活における移動をより自由なものにし、公共交通との接続や利用の継続も行うことで、地域の活性化に貢献していくという。