製造業の受発注サービス「CADDi」などの提供を行うキャディは8月3日、製造業従事者を対象としたインターネット調査の結果を発表。製造業におけるデータについて、部長職以上の6割超が「図面」が最も重要だと回答したことを明らかにした。

同調査は、昨今の社会情勢の変化で安定調達の難化や製造原価の上昇などの影響を受ける製造業従事者を対象に、調達や原価低減の課題解決の可能性を探るため、図面データの活用状況および課題の把握を目的としたもの。調査時期は2022年4月1日~4日で、普段の業務の中で図面を扱う機会がある1,000名から有効な回答が得られたとしている。

調査対象のうち部長職以上を対象とした「保有情報の重要度」に関する調査では、図面が最も重要な情報であるとの回答が62.8%に上った。

  • 部長職以上対象の保有情報の重要度ランキングで「最も重要」と選択されたもの

    部長職以上対象の保有情報の重要度ランキングで「最も重要」と選択されたもの (出典:キャディ)

製造業従事者が1か月あたりの図面検索に費やす時間は、ドキュメント検索全体にかかる時間(19.3時間)のうち5割強の9.9時間に上るという。

過去図面を探す際の参照環境については、図面管理システムの利用が51.4%、社内共有サーバの利用が42.1%と、データ化した図面の利用が広がっている一方、紙図面を利用しているとの回答も39.6%と一定数見られたという。

  • 1か月あたりのドキュメント検索時間および図面検索時間

    1か月あたりのドキュメント検索時間および図面検索時間(出典:キャディ)

  • 過去図面の参照先

    過去図面の参照先(出典:キャディ)

また、図面管理システムやサーバを活用する図面データの利用者に絞った調査では、72.8%が「現状のシステムに課題を感じている」と回答したとのことだ。

課題の内容については、「図面に紐づく情報が見られない」(25%)、「部品の形状から検索ができない」(23%)、「品番や材質などのメタデータでキーワード検索ができない」(21%)などの回答が上位を占めた。これについてキャディは、図面の検索性や図面に紐づく情報へのアクセシビリティの低さが主な課題だと見立てられるとする。

  • 利用中の図面管理システムへの課題感の有無

    利用中の図面管理システムへの課題感の有無(出典:キャディ)

加えて、新規図面の見積もり依頼先候補の選定に要する時間について、業務の担当年数別で調査したところ、経験年数が長いほど選定のスピードが早くなる傾向が見られたため、判断基準や業務知識について属人化の傾向にあることがうかがえたとしている。

  • 経験年数別に見た新規図面の制作依頼・見積もりに要する時間

    経験年数別に見た新規図面の制作依頼・見積もりに要する時間(出典:キャディ)