SK hynixは、8月2~4日(米国時間)に米国カリフォルニア州サンタクララで開催されたフラッシュメモリに関する国際会議であるFlash Memory Summitにて、238層の3D NANDフラッシュメモリ製品を開発したことを発表した。2020年12月に176層3D NANDを発表して以来、1年半ぶりのNANDの新製品発表となる。
この発表を機に同社は、238層3D NANDの512Gビットトリプルレベルセル(TLC)製品のサンプルを顧客に出荷を開始し、2023年前半より大量生産を開始する計画であるとしている。
2018年に96層3D NAND製品を開発して以来、同社は既存の3D NAND製品を凌駕するとしたPUC(Peri Under Cell:メモリセルアレイの下に周辺回路を配置する)構造を採用し、この技術を従来の3Dと区別して4D NANDと呼んできた。4D NAND製品は、3D NAND製品に比べてユニットあたりのセル面積が小さくなるため、生産効率が高くなるという。
この4D NAND技術により、今回の製品は238層という高層を達成しながら、サイズを抑えることができ、単位面積あたりの密度を高めたチップの取れ数を増やすことができるようになったため、従来の176層3D NAND(4D NAND)と比較して、全体的な生産性が34%向上したという。
また、開発された238層品のデータ転送速度は毎秒2.4Gビットで、前世代比で50%向上したとするほか、データ読み取りに消費されるエネルギー量は21%減少したとする。
なお、同238層製品は、まずクライアントSSDに採用された後、スマートフォンやサーバ向け大容量SSD向けに提供される予定だという。また同社は2023年には第2弾製品として、1Tビット品 も追加投入する予定としている。