繊維リサイクルボード「PANECO」を展開するワークスタジオと、建設用3Dプリンタを用いた建設事業を行うMAT一級建築士事務所は、廃棄衣類繊維をアップサイクルした素材を3Dプリンタ建築の断熱材として活用する共同実験に成功したと発表した。
日本国内だけでも年間約120万トンにも上るといわれる廃棄衣料品は、その多くが焼却処分され、大量の温室効果ガス排出につながっているという課題がある。
ワークスタジオが提供するPANECOは、廃棄衣料品を原料とした繊維含有率最大90%のサステナブルボードで、ファッションロス軽減や地球環境問題対策への取り組みとして期待されるとしている。
また同製品は、布だけではなく合成皮革などのさまざまな繊維をアップサイクルすることができ、さらに使用後のPANECOを回収して再びボードにリサイクルが可能な循環型生産モデルとなっている。
一方のMAT一級建築士事務所は、建設用3Dプリンタを用いた建築の実現に向けて取り組みを進めており、2022年1月には建設用3Dプリンタを使用した建築として確認済証を取得している。
両者は、3Dプリンタ建築の断熱材として廃棄衣料品を長期間使用することで、焼却処分による二酸化炭素排出を抑え、脱廃棄とともに脱炭素にも貢献出来るとする。
ワークスタジオとMAT一級建築士事務所は今後、廃棄衣類繊維を素材とした断熱材の3Dプリンタ建築や一般建築への社会実装に向け、さらなる研究・開発を進めるとともに、サステナブルな建築を目指す戦略的パートナーシップを締結したとのことだ。