アノテーションツール開発などを手掛けるFastLabelは8月2日、写真や映像データから人の顔や車のナンバープレートといった個人情報を認識し、該当箇所をモザイクや黒塗り処理によって自動で消し込むマスキングAI(Artificial Intelligence:人工知能)の提供を開始したことを発表した。
これにより、写真や映像のマスキング作業を自動化でき、人手のみでは困難だった膨大なデータに対するマスキング処理が可能になるため、人件費削減が見込めるという。また、マスキング後の写真や映像データを社外へ公開可能となるので利用範囲の拡大にもつながるとのことだ。写真や映像データの販売、メディアへのアップロードに加えて、これらのデータを活用したAI開発にも役立てられる。
同社が開発したマスキングAIは、顔のモザイク処理では99.38%、車のナンバープレートのモザイク処理では最大96.30%の精度でマスキング可能だという。また、クラウド上のみでなくオンプレミス環境でも処理が可能であり、ローカルネットワーク上で実行可能だ。そのため、外部への情報流出のリスクを抑えながら、個人情報を確実に保護できるとしている。
同社は利用シーンの例について、「交通監視カメラやドライブレコーダーの映像の共有・公開をする場合」「小売など店舗内の監視カメラ映像の共有・公開をする場合」「映像・写真などをTVやYouTubeなどのメディアに公開する場合」などを挙げている。