Amazon.comはこのほど、「Our Carbon Footprint - Amazon Sustainability」において、2021年における同社の総カーボンフットプリントを発表した。2021年に事業が成長したことでAmazon.comの絶対炭素排出量は18%増加した。
しかし同社は、流通取引総額(GMS: Gross Merchandise Sales)の1ドルあたりの二酸化炭素換算グラム(CO₂e)の総炭素排出量を意味する「炭素強度」が1.9%減少したことが重要と説明しており、事業成長をしつつも炭素削減へ向けた取り組みを継続している点を主張した。
Amazon全体の2020年および2021年における主な二酸化炭素排出量の比較は次のとおり。
Amazon二酸化炭素排出量 | 2022 | 2021 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
炭素強度 | 102.7 | 100.8 | 9% |
化石燃料 | 9.37 | 11.89 | 27% |
冷媒 | 0.25 | 0.22 | 12% |
購入電力の排出量 | 5.27 | 4.07 | 23% |
企業購入とAmazonブランド製品の排出量(営業経費、出張、Amazonブランドの製品製造、使用段階、使用期限など) | 16.70 | 19.09 | 14% |
資本財(ビル建設、サーバ、その他のハードウェア、機器、車両など) | 10.52 | 15.37 | 46% |
その他の間接的な排出(第三者輸送、包装、上流エネルギー関連など) | 15.77 | 18.00 | 14% |
Amazonの実店舗への顧客旅行からのライフサイクル排出量 | 2.77 | 2.91 | 5% |
総フットプリント | 60.64 | 71.54 | 18% |
新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の影響で、Amazonは2020年かけて急速に成長した。世界中で75万人以上のフルタイムおよびパートタイム雇用を創出し、2021年には前年比37%の収益増加を実現している。こうした状況を受け、事業から直接排出される二酸化炭素量も間接発生源から排出される二酸化炭素量も増加。購入電力による排出量の削減などは見られるものの、全体としては18%の増加となった。
Amazonはパリ協定よりも10年前となる2040年までに脱炭素を達成することを目指す取り組みを進めている。2021年には85%の再生可能エネルギーの使用を達成し、2025年までには100%に到達する見通しを掲げている。今後、Amazonがどのように脱炭素の実現へ向けた取り組みを進めていくのか、その動向が注目される。