三井不動産と東京ガスは8月1日、両社が共同で設立した三井不動産TGスマートエナジーが7月31日に八重洲エネルギーセンターを竣工したことを発表した。2022年9月1日から東京ミッドタウン八重洲と八重洲地下街への電気と熱の安定供給を開始し、「八重洲スマートエネルギープロジェクト」を始動する予定だ。
同プロジェクトは東京駅前(八重洲エリア)におけるスマートエネルギープロジェクトで、東京ミッドタウン八重洲および八重洲地下街に電気と熱の自立分散型のエネルギーを供給するもの。
エネルギー供給先にはオフィスや商業施設、ホテルに加えて、バスターミナル、小学校を含なども含まれる。街全体の防災力と環境性を向上し、高い国際競争力を有した街づくりに貢献するとのことだ。また、隣接地区で開発進行中の「八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業」においても完成後の建物にエネルギーを供給する予定だとしている。
今回のプロジェクトでは、CGS(CoGeneration System:都市ガスなどを燃料に電力と熱をオンサイトで製造し総合効率の高いエネルギーを供給するシステム)を中心とした自立分散型のエネルギーシステムを東京ミッドタウン八重洲内に整備し、八重洲エリアへの非常時のエネルギー供給を継続するとともに、平常時はICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用して省CO2を実現するとのことだ。
また、同プロジェクトでは系統電力停電時にも中圧の都市ガスの供給が継続する限りCGSによる発電が可能だという。断水時には蓄熱槽の水を熱源機器の冷却水として活用することで熱供給を継続する。非常時には、地域の防災拠点機能の核となる城東小学校に加えて、バスターミナルや帰宅困難者のための一時滞在施設のような公益施設にも電気と熱を継続的に供給し、近隣エリア含む都市の防災力向上に寄与する。
同プロジェクトで導入するCGSは、一般的な火力発電所の発電効率と比較してエネルギー効率が高く、省エネ化にも有効なのだという。同社によると、CGSを含む省エネの仕組みにより、一般的なビルに比べてCO2排出量を約26%削減可能だという。その他、最新のICT技術によって過去のエネルギー需要実績や天気予報、スケジュールなどの情報を蓄積したビックデータを分析することで、翌日のエネルギー需要を予測し効率的なエネルギー供給を実現するとしている。