インターネットイニシアティブ(IIJ)は8月1日、国内企業の情報システム部門を対象に実施した「情シス人材に関するアンケート」の調査結果を公開したことを発表した。過去に実施した調査の結果から、多くの企業が人材の確保や育成に課題を抱えていることが分かったため、今回、より詳細な実態と具体的な課題や対応策などを調査し、808件の有効回答を得たという。

今回の調査では、情報システム部門における現状の人員・人材について、「豊富な経験を持った人材が足りない」、「若手人材を獲得したい」と感じる担当者が多いことが明らかになったとのことだ。

  • 現在の情報システム部門の人員、人材に関する課題 引用:情シス人材に関するアンケート

また、従業員数3000人以下の企業では、「情報システム部門への新卒配属がない」という回答が半数を超えており、中途採用に関しても、そのうちの多くは「応募者数が十分ではない」、あるいは「応募がなかった」と回答している。

これらの理由について、「給与等の待遇・条件」「業務内容」「勤務体系(リモートワーク・残業時間・休日日数など)」に改善点があると考えている担当者は多いものの、人材確保のための施策を「特に行っていない」と回答した割合が約44%と、改善点について理解しつつも実施には至っていない状況も見受けられるという。

  • 人材、人員獲得にあたり改善したい点 引用:情シス人材に関するアンケート

しかし一方で、「社内他部門からの異動推進」や「グループ企業内の異動促進」に取り組んでいるという企業もあり、人材確保のためにリスキリングなどの新たな取り組みが少しずつ広まっている様子も伺える結果になった。

  • 人材、人員獲得のために実施している施策 引用:情シス人材に関するアンケート