富士通Japanは8月1日、診療データの利活用によって病院のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速するため、電子カルテシステムと医事会計システムをクラウド化した、500床規模の大中規模病院向けクラウド型電子カルテサービス「Fujitsu ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-HX Cloud (ホープ ライフマーク エイチエックス クラウド)」(以下、HOPE LifeMark-HX Cloud)の提供を開始することを発表した。

同サービスにより、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を用いた問診など外部サービスとの連携に必要なWeb-API(Web Application Programming Interface)が利用しやすくなるため、さらなる患者サービスの向上や院内業務の効率化、病院経営の改善が見込めるのだという。厚生労働省電子的診療情報交換推進事業(Standardized Structured Medical Information eXchange)において策定された規約であるSS-MIX2(Standardized Structured Medical Information eXchange)や、次世代医療情報標準規格であるHL7(Health Level Seven) FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resource)にも対応し、医療情報連携の強化と診療データの利活用を促す。

  • 「HOPE LifeMark-HX Cloud」のサービス概要図

    「HOPE LifeMark-HX Cloud」のサービス概要図

同サービスは富士通のデータセンターで運用することで、クラウド型電子カルテサービスとして提供する。データセンター内においてはハードウェアの二重化やフェールオーバー機能を搭載するほか、災害時の回線不通対策として複数キャリアを用いた回線の二重化に加えて、電子カルテデータを参照できる専用サーバを院内に配置することで業務継続性を強化しているという。

電子カルテや医事会計サーバをクラウド化することで、オンプレミス型の同ソリューションと比較してサーバ数を約50%ほど削減でき、サーバの購入や設置に関わる初期投資だけでなく、サーバ管理費、電気代、サーバルームの空調維持費などのコスト削減にもつながると考えられる。

また、富士通Japanがこれまでに培ったシステムの導入手法や、電子カルテシステムの設定に関わるマスタ、医師や看護師の入力を支援するテンプレートといったコンテンツ群を提供することで、システム導入時の準備作業を軽減し、プロジェクト開始からシステム稼働までの期間短縮を支援するとしている。