台湾大手ファウンドリUMCが発表した2022年第2四半期の決算概要によると、連結売上高は前年同期比41.5%増、前四半期比13.6%増の720億6000万NTドル(約3250億円)。純利益は前年同期比78.6%増、前四半期比7.7%増の213億3000万NTドルとなったという。いずれも過去最高であったとする。また粗利益率は、前四半期比3.1ポイント増、前年同期比15.2ポイント増の46.5%となったともしている。

有機EL(OLED)ディスプレイドライバIC(DDI)やISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)、Wi-Fiや車載用ICの需要増で、28~22nmプロセス製品の売上高が前四半期比29%増となり、売上高全体の約22%を占めたという。それ以外のプロセスの比率は40nmが18%、65nmが19%、90nmが7%、110nm以上が34%という構成だった。

アプリケーション別では、通信向けが45%、消費者向けが27%、コンピュータ向けが16%、その他が12%となっており、地域・国別では、(日本をのぞく)アジアが65%、北米が22%、欧州が8%、日本が5%であった。日本には、UMJC(元富士通三重工場/三重富士通セミコンダクター)という名の子会社をもっているが、日本のシェアは、TSMC同様の5%にとどまっている。

なお第3四半期の見通しについて同社は、ウェハ出荷枚数および製品平均価格(ASP)は横ばい、粗利益率は44~46%に下がると予測している。

このほか、拡張工事が進められている南部科学園区(南科)のFab12AのP6工場については、設備の搬入が遅れており、2023年6月に稼働する予定であるものの、生産能力の引き上げは予定より遅れるとUMCの王石・総経理は説明している。同氏によると、従来予定していた月産能力3万2000枚に、いつ到達できるのかについては不明だという。ただし2022年の設備投資額は、従来計画通りの36億ドルで変わりないと説明している。

半導体は在庫調整期に突入へ

王石・総経理は、7月27日に開催された2022年第2四半期業績説明会で、「半導体産業は、過去2年続いた需要が拡大し続ける『スーパーサイクル』から、在庫調整期に入った」と指摘。スマートフォンやパソコンなど消費者向け電子製品の需要が減少し、いつくかの顧客が長期契約通りに購入できなくなったことを明らかにした。すでにTSMCやPowerchip Semiconductor Manufacturing(PSMC)も7月中旬に、「顧客が在庫調整を始めた」と指摘していた。

なお王氏は7月31日に大口顧客であるSamsung Electronicsを訪問、新たに就任したSamsung幹部との面会を行う予定だという。SamsungからはCMOSイメージセンサの生産を請け負っており、生産計画に変更が必要なことを直接確認するようだ。すでに一部の業界関係者からはSamsumgは6月、半導体の在庫調整のため、新規調達を一時停止することをサプライヤ各社に通知したという話がでてきていた。