STマイクロエレクトロニクスは、位置トラッキングおよびリアルタイム測位アプリケーションに適したBluetoothの方向検知技術が採用された第3世代のBluetooth SoC「BlueNRG-LPS」を発表した。

BlueNRG-LPSは、 Bluetooth 5.3認証を取得済みで、 Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE)信号の方向を判断し、位置や動作をcm単位の精度で正確に推定することができるという。

同製品には、アンテナ・アレイで捕捉した信号から計算されるAoA(Angle of Arrival:受信角度)およびAoD(Angle of Departure:放射角度)など、Bluetooth専用技術が採用されている。

これらの機能により、屋内ナビゲーション、ジオ・フェンシング、アセット・マネジメントや、ツール・資産・商品のリアルタイム位置特定など、さまざまなアプリケーションを実現できるとしている。

また、効率化されたアーキテクチャとI/Oペリフェラル、軽量な最終製品に適したサイズのプログラム・メモリ(内蔵Flashメモリ:192KB)およびデータ・メモリ(SRAM:24KB)を備えており、汎用ワイヤレス・センサ、医療機器、キーレス・エントリ・システム、リモコン、遠隔スマート・メータなど、コストが重視される量産アプリケーションにも適しているという。

BlueNRG-LPSのアーキテクチャは、最新のBluetooth LE Power Control仕様に対応しており、RF出力を1dBm単位で微調整できる(最大+8dBm)ため、バッテリ寿命の延長が可能。Bluetoothの伝搬損失モニタリングによって無線リンクの品質が向上し、干渉を防ぐことができるため、密集した場所における機器間インタラクションの改善や、応答時間の高速化に貢献し、より堅牢な接続を実現するとのことだ。

なお、BlueNRG-LPSは現在量産中で、32ピンのQFN32パッケージ(5mm×5mm)で提供され、単価は1000個購入時に約1.60ドルとなっている。BlueNRG-LPSを使用した開発をサポートする評価ボード「STEVAL-IDB012V1」も提供されている。