山形県酒田市、山形県猟友会酒田支部、NTT 東日本は、7月27日、鳥獣害対策において、赤外線センサーとネットワークカメラを活用した鳥獣害の検知、アラート通知による、みまわり稼働省力化に向けた実証実験を8 月末まで実施することを発表した。
同実証実験には、近年、全国的に野生鳥獣による農作物被害が深刻な問題となっており、山形県内においても6月時点で市街地でのツキノワグマの目撃件数が50件以上になっているという背景があるという。 加えて、狩猟従事者は高齢化、担い手不足により減少傾向にあり、従事者の確保や効率的な罠の設置や被害減少に向けた見回り活動などの鳥獣害対策が課題となっているという。これらの背景を踏まえ、3者はICTを活用した鳥獣害捕獲の効率化の検証を行うに至ったという。
同実証実験では、酒田市広岡新田地域を皮切りに、赤外線センサーとネットワークカメラによる鳥獣害の検知技術を活用した効率的な鳥獣害捕獲を実証するという。具体的には「赤外線センサーによる檻の進入検知とアラート通知による巡回回数の削減」「ネットワークカメラによる檻の映像監視と捕獲鳥獣の種類や大きさ等の生態把握」の2点に重点を置くという。
実証実験には、NTTコミュニケーションズの「みまわローラ」を活用することで、檻罠への見回り稼働の削減を目指すという。同サービスは、鳥獣わな監視装置のことで、わなが作動するとメールで通知がいくシステム。わなの捕獲状況もメールから写真で確認できるため、毎日のみまわり労力の大幅な軽減が期待できるという。
NTT東日本は今回の実証を踏まえて、同じ課題を抱える山形県内の自治体の鳥獣害対策を支援していくとともに、酒田市の市民生活や各種産業へのDX(デジタルトランスフォーメーション)化に向けた対応を検討していくとしている。