ニコンは7月5日、同社初の超小型マシンビジョンカメラ「LuFact」を8月31日に発売すると発表した。
ものづくりの現場では、生産性向上やコスト削減、新製品の創出などを目的に、DX化へのニーズが高まっている。
その中で、従来は人が目視で行う製造工程の監視や外観検査を自動化するためには、高感度かつ高解像度の撮影を高速で行うマシンビジョンカメラが必要となる。また、既存の装置や生産ラインへの設置を容易にするため、小型・軽量で取り付けの自由度が高いカメラへのニーズが高まっているという。
そのようなニーズを受け、ニコンは、デジタルカメラ領域で長年積み重ねた独自の画像処理技術を活用し、同社初となるマシンビジョンカメラを開発した。
同社は、画像の撮影を行うカメラヘッドと画像処理を行うインタフェース変換ユニット(I/F変換ユニット)を分離することで、カメラヘッドを小型化し、既存の生産ラインへの設置を容易にしたとしている。
また、発熱源となるI/F変換ユニットを分離して設置できるため、生産ラインに与える熱影響を低減することが可能で、カメラヘッド周辺が高温になる場合も、機能保護のためのサーマルシャットダウンによる撮影停止を抑えることができるとのことだ。
さらに、LuFactシリーズのカメラ制御向けソフトウェアの開発キットとして、API・開発者向けリファレンスマニュアル・サンプルコードを用意しており、短い工数で柔軟なアプリケーションを開発可能だとしている。
なお、LuFactシリーズの製品として、カメラヘッドは好感度モデルと高解像度モデルの2機種、I/F変換ユニットは伝送規格が異なる2種が発売される予定だ。
その内、カメラヘッド「AH020-MR」とI/F変換ユニット「A1000-G」については、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(SCK)の協業プロジェクト「CR2プロジェクト」に参画したニコンがSCKの協力のもと開発したといい、SCKの製造現場で性能評価を行ったのち、正式にSCKで採用されたとのことだ。