東京大学(東大)発ベンチャーのXcoo(テンクー)は7月11日、スパークス・グループが運営する未来創生3号ファンドをリード投資家とした2社を引受先とする、総額7億円の資金調達を実施したと発表した。
2011年に創業したテンクーは、ゲノム医療を主な事業領域とし、ゲノムおよび生体情報解析のトータルソリューションソフトウェア「Chrovis」を開発。それを用い、がんの診断・治療・予防や最先端の研究開発などに向けたゲノム情報解析を行っている。
加えて同社は、解析結果に対して臨床現場での判断に役立つ情報を付加する「アノテーション」に注力しているという。
現在、画期的な手法として浸透しつつあるがん遺伝子パネル検査は、解析結果の解釈とレポート作成に多大な手間がかかる点が課題となっている中、テンクーは、情報技術を活用して複数のデータベースにまたがる膨大なデータを自動処理することで、検査結果を判断する医師の業務サポートや患者への情報提供を行うとしている。
包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)検査の保険適応から3年が経過し、保険診療下での検査症例数が年間1万件を超えるなど、がんゲノム医療関連市場が堅調に拡大している状況を踏まえ、テンクーは、医療現場のニーズ拡大に合わせたChrovisのサービス拡張に向けて開発を加速させるとしており、今般調達した資金はその体制を実現するための人材拡充を中心に投資するとのことだ。