キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)、キヤノンITSメディカル(キヤノンIM)およびキヤノンメディカルシステムズ(キヤノンメディカル)は7月25日、キヤノングループにおけるヘルスケアIT事業の強化に向けて、キヤノンメディカルの電子カルテや医事会計システムなど病院情報システムのシステムインテグレーション事業をキヤノンIMに統合することについて合意したと発表した。

キヤノンMJグループは、ヘルスケアIT領域において、キヤノンIMを通じて医療現場の業務効率化を支援する電子カルテや医事会計システムなどの医療機関向けのITソリューションを国内に提供しており、医療従事者がより一層患者さん対応に専念できる環境創出を目指している。

一方で、キヤノンメディカルは、CT・MRI・超音波診断装置・X線診断装置などの画像診断装置をコア事業に、体外診断、ヘルスケアITに事業領域を広げ、世界150以上の国や地域に製品、サービスを提供し、グローバルに医療に貢献している。このうちヘルスケアIT領域では、画像診断装置で得られたデータを効率的に保管、解析する画像ソリューション、画像処理ワークステーションや、電子カルテや医事会計システムなど病院情報システムの提供を通じて、高品質かつ効率的な医療の実現を支援している。

今回の組織再編は、キヤノンIM、キヤノンメディカル双方で行っていた病院情報システムのSI(システムインテグレーション)事業に関して、キヤノンメディカルが持つ営業およびシステム構築、保守などSI機能をキヤノンIMに統合するもの。

  • 組織改編の概要

キヤノンIMは、今回の統合を通じて医療市場におけるシステムインテグレーターとしての体制をより一層強化し、医師の働き方改革や遠隔診療、医療情報の共有など、今後ますます多様化する医療現場のニーズをいち早く捉え、これらの課題に応える最適なソリューションを高度なSIとともに提供する。

さらに、キヤノンMJグループが保有する業務知見やIT技術を生かし、医療機関における喫緊の課題とされる災害対策やサイバー攻撃に対応する情報セキュリティ体制の構築並びに医療ドキュメントの電子化支援など、新たなサービスの提供も含めて医療のデジタル化と運用をトータルでサポートしていく。

キヤノンメディカルは今回の再編を通じて、病院情報システムのソフトウェア技術、およびAIと3Dを活用した画像解析技術の開発を加速し、画像診断システム事業との関連が深くグローバルな成長が見込まれる読影支援ソリューション、診療支援ソリューションなどの分野に注力することにより、医療現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)および効率的な運用をサポートし、患者中心の質の高いケアを提供する医療施設の支援を強化していく。

今後、キヤノンMJおよびキヤノンIM、キヤノンメディカルは、病院情報システムのSI事業に関して、2023年中の統合を目指して具体的な協議を進めていくという。