東日本電信電話 長野支店(以下、NTT東日本)、NTTアグリテクノロジー、長野県上田市、信州うえだ農業協同組合、信州うえだファーム、長野県上田農業農村支援センターらは7月25日、「地域おこし協力隊」を活用して、新規就農者を農業デジタル人材として育成するプロジェクトを開始すると発表した。これにより、地域におけるスマート農業の実装を推進させ、持続可能な農業を目指すという。
地域おこし協力隊とは、都市地域から地方などに住民票を異動し、農林水産業への従事といった地域協力活動を行いながらその地域への定住を図る取り組みだ。
上田市では農業の担い手が高齢化しさらにその人数も減少する中で、同市は信州うえだ農業協同組合および信州うえだファームと連携して、地域おこし協力隊として都市地域から新規就農を目指す人の誘致を行う。
新規就農希望者には、市内の遊休農地や施設などを使用して就農に必要な研修やスマート農業に取り組む環境を提供し、今後求められる持続可能な地域農業を実践するリーダーとして育成するという。
スマート農業により新規就農者に不足する経験や勘を補完するとともに、今回の取り組みの中で育成されるリーダーと新規就農希望者らが一緒に広範なスマート農業のソリューションを試し、地域に求められるスマート農業の活用シーンを創出しながら新規就農希望者を地域に合った農業デジタル人材として育成する。
具体的なスマート農業の手法としては、データに基づく栽培管理とスマートグラスを活用した遠隔営農相談の実践に取り組む。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)センサーによって農場の温度や湿度などを収集し、データに基づく栽培管理を行う。
また、栽培に関する不明点が生じた際にはスマートグラスを装着して、信州うえだ農業協同組合または長野県上田農業農村支援センターから遠隔でリアルタイムに農業指導を受けられる環境を整備する予定だ。
そのほか、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用した農産物選果スキルの習得も実施する。経験豊富な農家が持つ選果の感覚を反映した「AI選果識別サポートシステム」を開発して、新規就農者の的確な選果作業をサポートし、経験豊富な農家の感覚習得を効率的に支援する。的確な選果は地域農産物の品質とブランドの維持向上にも効果が見込まれるとのことだ。