Twitterは7月21日、過去2年間にわたる日本語のツイートを分析した結果として、知っておくべき3つの日本のトレンドを記載した「Twitterトレンド2022」を発表した。
ファイナンス:NFTに対する注目度の高さから会話増
トレンドの1つ目として挙げられているのは「ファイナンスがSNSに到来」だ。経済的余裕を手に入れるために、簡単にできる節約方法から仮想通貨にまつわる深い知識まで人々は学ぼうとしているため、ファイナンスにまつわる会話が日本のTwitter上で急増しているという。その中心には、ファイナンスを基盤とする人の中でも、デジタルアート、NFT、ミームコインなどポップカルチャー領域の新しいコミュニティを築いている人たちが存在するという。
実際にTwitterで発信された投稿をみると、NFTに対する注目度の高さから、ファイナンスに関する会話が前年比220%増しているのに加え、NFTにおけるアートと音楽に関する会話が前年比1,399%増という大幅な上昇が見られるという。そのほか、大きく伸びているトピックは以下の通り。
トピックの伸び率(前年比)
- デジタルアートオークション (+7,321%)
- NFTアート (+37,453%)
- ディスコード (+42%)
- NFTマーケットプレイス (+5,806%)
- コレクティブルNFT (+4,584%)
- NFTミント (+14,973%)
このトレンドから同社は「リスクを明確にする」「日本のカルチャーを象徴するアートと創造性を見せる」「ローンチの主導はコミュニティに譲る」という3つのポイントを押さえることで、消費者との深い関りを持てるようになるとの見解を示している。
起業:ライフスタイルの1つとしての「副業」が注目
2つ目は「サラリーマン的マインドからの解放」だという。 コロナ禍によって大きく変化した日本の働き方や副業への考え方は、「起業の心得」に関するトピックとして過去1年で大きな盛り上がりをみせたという。 その中心には、高いクリエイティビティを持った集団がおり、2次創作を通じての価値を高めるファンから、安定したキャリアを築き続けるインフルエンサーまで、単なる仕事としてだけではなく、ライフスタイルの1つとしての「副業」が注目されているという。
実際にTwitterの調査では、Vlogや副業、アプリ制作を含む、起業の心得に関する会話が前年比22%増しているほか、インフルエンサーブランドに関する会話が前年比111%増しているという。
このトレンドから同社は「ファンと一緒に」「相性の良いコミュニティを探し出し、相乗効果を発揮する」「活動的なクリエイターを応援する」という3つのポイントを押さえ、成長しているクリエイターたちを応援し、一緒に成長することを呼び掛けている。
社会に存在する不平等:女性の権利についての議論が271%増
最後のトレンドとして挙げられているのは「ひとりの気付きから社会全体の気付きへ」だ。社会に疎外され、抑圧されてきた人々がTwitter上でその体験を共有することで、より多くの人々にその人たちの存在や体験が知られるきっかけとなっているという。Twitterは平等な社会の実現のために考えを共有し、それについて議論し考える場所となりつつあるのだという。実社会では語りにくいトピックにも参加し、女性の権利を守ることからLGBTQIA+コミュニティへの世間の偏見をなくすことまで人々は変化を求めているのだという。
実際にTwitter上では、フェミニズムに関する議論をはじめとする社会的不平等についての会話が前年比26%増しているほか、女性の権利についての議論が271%も増加しているのだという。
同社はこれらのトレンドを踏まえて「日常に潜む不平等を知る」「多様な声を聞き学び続ける」「コラボレーションやパートナーシップを組む相手を再考する」といった3つのポイントを通じて、社会に存在する不平等を知り、多様な人々の声にスポットライトを当てることを呼び掛けている。