European Union(EU:欧州連合)理事会は2022年7月19日(現地時間)、ロシアによるウクライナ侵攻に関連し、世界中でサイバー攻撃活動が増加しているとして警告を促した。EU上級代表の宣言では、多くの攻撃グループが世界中の重要な施設を無差別に標的にしており、これらの攻撃活動の増加が波及効果を許容できないリスクを生み出す恐れがあると述べている。
宣言では、親ロシアのハッカーグループによるものとされるEU加盟国およびパートナーに対する分散型サービス運用妨害(DDoS)攻撃について言及している。具体的な攻撃の事例については触れられていないが、例えば7月初旬にはノルウェーの重要なWebサイトとオンラインサービスが「Legion」と名乗る親ロシアのグループのDDoS攻撃によって停止させられている。また5月にも、ロシアを支援するグループが、ウクライナを支援する各国に対して活発にDDoS攻撃を仕掛けたことが報告された。
EU理事会による警告は、これらのサイバー攻撃活動を強く非難するとともに、攻撃の標的となった国々とEUとの連携を表明するために行われた。宣言では、すべての国連加盟国に対してサイバースペースにおいて国連の枠組みを遵守した責任ある国家行動を行うこと、そして自国の領土から行われる悪意のあるサイバー活動に対して適切な措置を講じることを要請している。さらに関係者に対しては、サイバー脅威についての認識を高め、重要なインフラを保護するための予防策を講じるように要請している。