NECは7月21日、日本と米国西海岸を結ぶ光海底ケーブル(JUNOCableSystem、ジュノケーブルシステム)の運営会社であるセレンジュノネットワークと、海底ケーブルや海底中継器、陸上に設置する伝送端局装置などで構成される海底ケーブルシステムの供給契約を締結したと発表した。
セレンジュノネットワークは、光海底ケーブルの建設・運営のために7月12日にNTTリミテッド・ジャパン、PCLanding、三井物産、JA三井リースの4社が設立した企業で、今後は海底ケーブルの計画から通信回線の販売、通信サービスの提供などを行う予定だ。
今回新たに開発した低消費電力の中継器と、最新のSDM(SpaceDivisionMultiplexing、空間分割多重)技術により、太平洋横断ケーブルとしては初めて、最大40心(20ファイバーペア)となる。同ケーブルの総通信容量は毎秒350テラビット(Tbps)となることが期待され、実現した場合は日米間を結ぶ海底ケーブルとして最大の通信容量となる。
同ケーブルは、日米およびアジア各国における5G普及をはじめとした旺盛な通信需要への対応とともに、日本の離れた2拠点から米国への通信ルートを確保することで日本近海での自然災害に対する耐障害性を有している。
さらに、波長選択スイッチ(WSS:WavelengthSelectiveSwitch)機能により、各ルートの通信波長帯域を遠隔から変更することで、ビジネスニーズや通信トラフィック需要の変化への柔軟な対応が可能だ。