ハードディスクドライブ(HDD)はある程度高速に動作し、かつ、容量も期待できる。そのため、ファイルサーバやバックアップストレージではよく使われるストレージデバイスだ。データの消失はビジネスにとって致命的な問題を引き起こすことから、HDDの寿命は大きな関心事だ。実のところ、HDDの平均寿命は実際に使ってみないとわからないが、過去のデータからある程度推測することはできる。今回、BackblazeからHDDの平均寿命に関する分析結果が公開された。
オンラインバックアップサービス企業のBackblazeは7月20日(米国時間)、「Hard Drive Life Expectancy」において、同社が2013年以降に収集したドライブ統計データに基づいて分析を行ったHDDの平均寿命について発表した。同社が使用している代表的なHDDの平均寿命に関し、カプラン・マイヤー曲線(Kaplan-Meier Curve)なども交えて分析結果を伝えている。
Backblazeが説明している主な内容は次のとおり。
4TBハードディスク
- HGST (HMS5C4040BLE640)が、6年後も動作し続ける可能性は97%
- Seagate (ST4000DM000)が、6年後も動作し続ける可能性は81%
8TBハードディスク
- Seagateコンシューマモデル(ST8000DM002)が、5年間動作する可能性は95%
- Seagateエンタープライズモデル(ST8000NM0055)が、5年間動作する可能性は93.6%
- エンタープライズモデルよりもコンシューマーモデルの方が平均寿命が長いという結果が出ている
12TBハードディスク
- HGST (HUH721212ALN604)が、2年後も動作する可能性は98%
- Seagate (ST12000NM001G)が、2年後も動作する可能性は98%
- Seagate (ST12000NM0008)が、2年後も動作する可能性は98%
14TBハードディスク
- 東芝 (MG07ACA14TA)が、1年後も動作する可能性は99%以上
- Seagate (ST14000NM001G)が、1年後も動作する可能性は99%以上
- WDC (WUH721414ALE6L4)が、1年後も動作する可能性は99%以上
平均寿命の長い製品がわかっていればその製品を購入することがもっともリスクの低い選択ということになるが、実際にそういったことにはならない。購入時点でHDDの平均寿命はわからないからだ。また、平均寿命以外にも価格、購入の容易さ、可用性、メンテナンスなど、他の要因も購入条件に関わってくる。最終的に、購入時点で得られる情報から故障時のリプレースコストなどの費用も考慮し、妥当なモデルを購入することになるとBackblazeは説明している。
Backblazeはクラウドベースのバックアップストレージを提供しているベンダー。業務で使用しているハードディスクの故障率に関する統計データを定期的に公表しており、HDDの故障率に関する実例データとして注目されている。