日立製作所の鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レールは7月20日、スマート・モビリティの統合ソリューションである「Lumada Intelligent Mobility Management」を用いて、イタリア・ジェノバで公共交通とカーシェアなどの民営交通など都市全体の交通網をデジタルで接続したと発表した。
同ソリューションでは、Bluetoothセンサーを使用したモバイル・アプリである「360Pass」によりバス・電車・ケーブルカーなどを接続し、都市内の多様な公共交通に乗客がハンズフリーでアクセス可能にするもの。
電気自動車のレンタル、駐車場料金の支払い、電動スクーターの位置の確認も同アプリ上で可能で有、実際の交通機関の利用状況に基づいて、1日の終わりに最も安い価格で利用料金を自動で算出する仕組みだ。
ジェノバでの実証試験では、バス663台、バス停2500カ所、地下鉄(年間利用者数1500万人)、ケーブルカー2基、登山鉄道1路線、公共エレベーター10基、郊外バス2路線・全長50kmをデジタルで接続した。
360Passは、同市および同市の公共交通事業者とのパートナーシップの下で、「GoGoGe」という名称で提供している。このプロジェクトは、世界中の乗客や公共交通当局が直面している「ラスト・ワンマイル問題」に対して、ラスト・ワンマイルの移動のための交通手段を見付けられるようにするソリューションの提供を目指しているという。
このほか、都市の交通網全体の「デジタルツイン」を作成し、人流・運行データをリアルタイムで把握可能にする交通事業者向けのソリューションもあり、世界中の他の都市にも展開できる技術としている。同社は、都市、交通事業者、乗客のより持続可能な交通への転換を加速していくことを目指す。