アメリカン・エキスプレスは7月19日、7月20日の「中小企業の日」に先立ち、中小企業の経営者および従業員計600人を対象とした「2022年度中小企業の企業間決済に関する調査」の結果を発表した。

同調査は、中小企業が支払いを受ける際、および支払いを行う際に感じている課題など、企業間決済の実態を明らかにすることを目的にしたもので、年間の売上規模が約1億円以上250億円未満の企業における営業部門300人、経理部門300人に対して、企業間決済における課題やキャッシュレス決済の利用実態を聞いている(部長職以上を優先的に回収、調査手法:2022年6月3日~6月5日)。

企業間決済で行われている具体的な支払い方法について聞いたところ(複数回答)、取引先から支払いを受ける際に使用している決済方法は、「銀行振込」が89.4%で最も多く「現金」、「手形・小切手」が続いた。「クレジットカード決済(カードレス含む)」での支払いを受けているという回答は6.2%だった。

一方、取引先へ支払う際の決済方法も「銀行振込」が94.1%と最も多く、次いで「現金」、「口座振替」が多い。なお、「クレジットカード決済(カードレス含む)」は19.6%と、支払いを受ける際よりも利用率が高かった。この調査結果から、支払いをする側にクレジットカードのメリットが認知されている、と同社は見る。

  • 取引先から支払いを受け取る時、および支払いをする時に使用している決済方法、出所:アメリカン・エキスプレス

    取引先から支払いを受け取る時、および支払いをする時に使用している決済方法、出所:アメリカン・エキスプレス

使用している決済方法に手間がかかると思うか聞いたところ、手間がかかるとの回答が多かったのは「手形・小切手」(46.3%)、「現金」(44.8%)で、「クレジットカード決済(カードレス含む)」は22.7%と最も少なかった。また、利用している決済方法で効率化したいものを聞いたところ(複数回答)、「現金」(56.5%)および「手形・小切手」(56.1%)が最も多く、効率化したい理由には「ミスを減らしたいから」が一番多く挙がった。

それでは、なぜ、「手形・小切手」や「現金」での支払いが企業間決済に選ばれるのか。

現在利用している決済方法を使う理由を聞いたところ、どの決済方法でも「これまでの習慣があるから」が最も多かった。また「手形・小切手」「現金」については、「取引先の指定があるから」を理由にあげる担当者も多い。

このことから、企業間の決済方法はこれまでの習慣や取引先の指定が優先され、「効率化」や「セキュリティ向上」を考慮して切り替えることが難しい状況がうかがえる、と同社は分析する。

  • 各決済方法を利用する理由、出所:アメリカン・エキスプレス

    各決済方法を利用する理由、出所:アメリカン・エキスプレス