7月13日から15日にかけて東京ビッグサイトで開催された、医薬品・化粧品の研究・製造に関わる製品・技術・サービスの展示会「インターフェックス Week 東京」でNECファシリティーズは医薬品工場などの施設向けにデジタルを活用した施設管理アウトソーシングサービスの紹介を行った。
NECファシリティーズは、24時間365日安定稼働が必須とされる半導体工場を中心に培ってきた施設管理のノウハウを活かし、近年は医薬品や食品業界などにも施設管理のアウトソーシングサービスを提供している。
センサの活用で故障の事前検知につなげる
そもそも施設管理業務は、見回りなど人手が必要な業務も多く、NECファシリティーズにおいても、人材の確保に難しさを感じていたという。
そこで同社では、デジタル技術と長年培った施設管理のノウハウを組み合わせることで、人手不足をカバーしながら、高品質な施設管理を提供する方法を推進している。
その1つがデータに基づいた施設管理サービス、「NEC DX Facility ManagementService」だ。同サービスはプラットフォームなどの販売ではなく、顧客の要件を基に、同社がセンサの取り付けやデータの取得、データの管理などのデジタル技術を用いて、施設管理サービスを提供するというものだ。
ブースでは、従来、目視点検で発見していた異常をセンサを用いてデータを取得することで、異常発見を行うというデモを見ることができた。NECファシリティーズでは、ポンプのどこにセンサを取り付ければ異常を発見しやすいかなどをノウハウとして持っており、それを基にセンサからデータを取得する。
上記のグラフ画像の下のグラフでは、日を追うごとに数値が上がっていくのがわかるだろう。下のグラフはモータとポンプをつなぐ軸のデータで、数値が上がることは、軸がズレてきていることを示す。
ブースの担当者によれば、このように事前に故障を検知することで、メンテナンス計画を立てることができ、緊急停止を防げるという。医薬品や半導体など緊急停止が起こると甚大な被害が出る工場では設備のコンディションをモニタリングすることが重要とのことだ。
ネットワークカメラを用いてリアルタイム映像での監視も
「NEC DX Facility ManagementService」では、場内の各種設備を3D画像でリアルに表示し、ネットワークカメラと連携することで、リアルタイム映像での監視、異常検知を可能にする機能「NEC DFM Presagio」の開発も進めている。
現在の段階では、3D画像はリアルタイムで表示はできないが、施設内のポンプの長さなどが可視化できる機能がついているので、設備の入れ替えの際に現場に行って実寸を測らなくても、大体の大きさを把握し、見積もりなどを取ることができるという。
また、監視カメラなどに使用されているネットワークカメラと連携することで、リアルタイム映像で異常検知が可能だ。
例えば、警報が鳴った際に、ネットワークカメラの映像を確認し、警報の原因を確認するなどの活用が考えられるという。
同社では、カメラを用いてメーターを読み取り、数値を自動記録する機能などの実証も行っており、さらなるデジタル活用で、クライアントニーズにあった施設管理を提供していく構えだ。