USEN-NEXT HOLDINGSのグループ会社であるUSENは7月19日、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を搭載したチェーン店向けBGMサービス「U MUSIC Enterprise」の提供を開始することを発表した。同サービスは店舗のBGMをリアルタイムで遠隔制御を行い、AI機能で複数店舗の空間演出を最適化する。
BGMによる空間演出は店舗の雰囲気づくりの重要な要素だが、チェーン店のような複数店舗のBGMオペレーションの管理は困難だ。複数店舗の方針やルールを定めて各店舗スタッフによるアナログな運用を実施する場合には、膨大な手間とコストが発生すると予想される。
U MUSIC Enterpriseは独自のAI機能により、複数店舗のBGMのプレイリストの統一が可能だ。店舗のブランドコンセプトに合わせて、屋号や出店エリアごとにグループを分けて配信内容を編成できる特徴も持つ。
また、AIカメラユニット「U EYES」と組み合わせることで、店舗ごとの混雑状況に応じて混雑時と平常時のBGMを切り替えられるようになる。例として、平常時には来店客のくつろぎを優先したプレイリスト、混雑時には気分を盛り上げるアップテンポなプレイリストに自動で切り替えるような使い方ができる。
時間を指定して自動で流れるキャンペーン情報に加えて、手動のスイッチ操作による店内アナウンスの差し込み放送にも対応する。量販店におけるピーク時のレジ従業員呼び出しや、飲食店における誕生日のバースデーソングなど、任意のタイミングでBGMや店内アナウンスを差し込める。さらには、有名声優を起用したオリジナルCMや、アーティストなどを招いたラジオ番組風のCM制作なども可能だという。
同サービスはIoTシステムによる遠隔サポートに対応し、通信不具合などによって配信がうまくいかない場合にはカスタマーサポートから自動復旧を試みる。加えて、あらかじめバックアップBGMを搭載しており、一時的な通信不通にも音楽が途切れることなく利用できるという。
なお、同サービスはインターネット配信のためアンテナの設置や回線の引き込みが不要だ。店舗のインターネット環境が使用できない場合でもLTEルータをセットで提供するとしている。
同サービスの導入価格は店舗数や利用規模などに応じて変動するため、詳細は要問い合わせ。