北九州市と日立製作所は7月15日、ハイブリッド・クラウド運用を実現する次世代システム共通基盤構築に向けた共同研究を、F/S(feasibility study、実現の可能性を探る調査)として開始したと発表した。

  • 研究の概要

今回の研究は、同市のプライベート・クラウド上に構築した北九州市システム共通基盤について、将来的なガバメント・クラウドとの相互接続運用(ハイブリッド・クラウド運用)を想定し、多様な調査・研究を実施するもの。

具体的には、北九州市システム共通基盤のテスト環境とクラウド上に構築した閉域テスト環境とを専用線で接続し、情報セキュリティを確保しながら閉域テスト環境内で基幹系業務システム(サンプル)を円滑に稼働できるかを検証する。また、ハイブリッド・クラウド運用を行うための機能設計および検証などを行う。

同研究では、基幹系業務システム・北九州市システム共通基盤のクラウド移行に関する研究および、ハイブリッド・クラウドを前提とした最適なシステム構成の検討を行う。

クラウド移行に関しては、まず基幹系業務システム(サンプル)をクラウド上の閉域テスト環境へリフトし、システム稼働の可否および課題などについて検証する。

また、北九州市システム共通基盤における共通機能のリフトまたはシフトを試み、機能性・運用容易性について評価を行うと共に、クラウド上で北九州市システム共通基盤の運用が実現可能か検証する。さらに、ハイブリッド・クラウド運用に関わる各種クラウド・サービスの適用とその必要コストについて試算し、費用対効果について評価する。

システム構成の検討では、まず次世代システム共通基盤の機能実装についての設計検討を行う。さらに、情報セキュリティを確保した上で最適なハイブリッド・クラウドにおけるネットワークの設計検討を行う。加えて、ハイブリッド・クラウドにおけるシステム運用管理に関する設計検討を行う。