アマゾン ウェブ サービスジャパンは7月13日、記者説明会を開催し、一般提供が開始されたサーバレスの分析サービス群「Amazon EMR Serverless」「Amazon MSK Serverless」「Amazon Redshift Serverless」の紹介を行った。
3つのサーバレスの分析サービスを提供開始
「Amazon EMR Serverless」は、Apache Spark, Hiveなどのビッグデータのフレームワークを用いて、、大規模な分散データ処理ジョブ、インタラクティブな SQLクエリ、機械学習アプリケーションを実行することを可能にするサービス。
「Amazon MSK Serverless」は、オープンソースのApache Kafkaと互換性があり、リアルタイムでの分析をクラスタのキャパシティ管理を行わずに実現できるサービス。同サービスは、Amazon MSK コンソールでクラスタを作成してApache Kafka エンドポイントを設定し、Apache Kafkaクライアントを用いてデータのストリーミングを行うだけで利用できる。
「Amazon Redshift Serverless」は、インフラの管理を行うことなくデータウェアハウス(DWH)「Amazon Redshift」を利用できるサービス。米Amazon Web Services Amazon Redshift プロダクトマネジメント ディレクターの川本雄人氏は、「インフラのメンテナンスをすぐに分析業務をやりたいユーザーが増えている。Amazon Redshift Serverlessはそんなニーズに応えるサービス。できるかぎり設定変更を行わずに使えるようにしてあり、DWHのキャパシティを自動でスケーリングできる。加えて、従来のレッドシフトが提供している機能も提供する」と説明した。
AWSが進めるモダンなデータ戦略とは?
AWSがサーバレスの分析サービス群を提供する背景について、アマゾン ウェブ サービス ジャパン 技術統括本部 技術推進本部 本部長の小林正人氏は、「データに基づく意思決定の重要性は増しつつある。データ活用を進めるため、われわれはモダンなデータ戦略を推し進めている」と説明した。
小林氏は、データ戦略においては、データは動的なものと捉えることが多いため、データの生成から破棄されるまでエンド・ツー・エンドで使えるプラットフォームが必要といわれているとして、同社がデータ戦略を支えるエンド・ツー・エンドのサービスの提供に注力していると述べた。今回発表されたサービスはモダンなデータ戦略を支えるサービスとなる。
AWSが考えるモダンなデータ戦略とは、あらゆる量のデータを低コストで標準的なテクノロジーで扱うこと、ユーザーが好みのテクノロジーを活用してデータを分析することを可能にするものだという。
小林氏は、AWSが考えるモダンなデータストラテジーを構成する要素として、「モダナイズ」「統合」「革新」を挙げた。統合に関しては、データサイロを解消し、データベース、データレイク、分析、機械学習サービスでデータを効果的に活用することを支援する。統合の実現に向けて、クラウド上の分析において、サーバレスの選択肢を複数提供する。
「革新」においては、機械学習とAIがカギになるという。AWSは機械学習に力を入れており、幅広いニーズに対応する機械学習サービスを提供しているとのことだ。