日本IBMは7月12日、オンラインで「世界のAI導入状況 2022年 (Global AI Adoption Index 2022)」の日本語版の発表と、AIの本格活用について記者説明会を開催した。なお、調査はIBMの委託によりMorning Consultが2022年3月30日~4月12日の期間で自社のIT関連の意思決定について何らかの知識/影響力を持つ7502人の世界の経営層(米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、中国、インド、シンガポール、オーストラリア、カナダ、アラブ首長国連邦、韓国の各国でそれぞれ500人の回答者、ラテンアメリカ地域全体で1000人の回答者)を対象に実施した。

世界のAI導入率は前年比13%増の35%

説明会の冒頭に、日本IBM 執行役員 テクノロジー事業本部 データAIオートメーション事業部長の塩塚英己氏は、昨今におけるAIのトレンドについて「多くの企業がデータやAIの活用によるビジネス変革を成長戦略の重要な柱として位置づけており、ビジネスの現場でどのように活用していくかという点に主な関心がシフトしている。そのため、当社はAIの本格活用を支援するテクノロジーの提供に注力している」と話した。

  • 日本IBM 執行役員 テクノロジー事業本部 データAIオートメーション事業部長の塩塚英己氏

    日本IBM 執行役員 テクノロジー事業本部 データAIオートメーション事業部長の塩塚英己氏

同調査により、2022年における世界のAI導入率が前年比13%増の35%に達したことが明らかとなった。結果としてAIが利用・実装しやすくなってきていることで、AIの成長が加速していることが浮き彫りになったという。

  • 世界におけるAI導入状況の概要

    世界におけるAI導入状況の概要

また、導入率の増加は企業が人材・スキル不足に対処しながら、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの課題に取り組み、自社のデジタル変革に投資する中でAIの価値を認識したことによるものであることが明らかとなり、実際に2021年と比較してAIの導入が4ポイント増加している。

さらに、調査において初めてサステナビリティの取り組みにAIを活用する計画について企業に聞き取り調査したところ、AIが重要な役割を果たす見込みがあることがわかったという。

調査対象となったITプロフェッショナルの66%がESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを加速させるために、自社が現在AIを適用しているか、AIを適用する予定であると回答している。